重合速度, および生成ポリマーの分子量が重合時間あるいは重合率とともに増加するような重合系においては定常状態の仮定は成り立たない。このような系, すなわち開始反応が成長反応より遅い重合反応に対して非定常状態の速度論的研究を行なった。重合速度, および生成ポリマーの分子量と重合条件との間の定量的関係式を誘導した。停止反応を無視しうる典型的な重合例として, エチレンおよびアクリロニトリルの開始剤重合, エチレンおよび塩化ビニルのγ線重合, エチレン, およびプロピレンのコンプレックス触媒重合において得られた実験結果を解析し, 提出した理論式がこれらの結果を満足に表現するものであることを確かめた。
抄録全体を表示