野生スイカおよび国内外のスイカ品種を用いて, 軟X線照射花粉を利用して作出した二倍性
種なしスイカ
のしいな数としいなの大きさについて品種間差異, および果実品質について調査した.また, 軟X線照射線量が花粉の発芽率に及ぼす影響についても調査した.軟X線照射線量が高くなるに従って花粉発芽率が低下したが, 2000Gyまでは無照射花粉の発芽率との間に有意な差はなく, また花粉管は胚嚢に到達していることが確認された.軟X線照射花粉を利用した
種なしスイカ
のしいな数およびしいなの大きさには, 明らかな品種間差異が認められた.普通スイカの全種子数と軟X線照射花粉を利用した
種なしスイカ
のしいな数との相関は低かった(r=0.272).しかし, 正常種子の大きさと
種なしスイカ
のしいなの大きさとの間には, 種子縦径 : r=0.943 P<0.001, 種子横径 : r=0.883, P<0.001の高い正の相関が認められた.軟X線照射花粉を利用した
種なしスイカ
は, 大きさ, 果形, 果色, 果皮の厚さおよび糖度とも普通スイカと変わらず, 品質の高い二倍性
種なしスイカ
が得られることが明らかとなった.
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