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60件中 1-20の結果を表示しています
  • アイデンティティ研究の視座から
    *森田 大輔
    日本科学教育学会年会論文集
    2023年 47 巻 1
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/22
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では教師のアイデンティティ研究に着目し,教師教育研究において語り方に着目することの意義を明らかにすることを目的とする.まず,先行研究のレビューを通して,語り方には「どのコミュニティにおける語りなのか?」「語り手に対する聞き手の構え(自己言及的記述)はいかなるものか?」「誰の語りが,誰に向けられ,誰が語っているのか?」「どの時制での語りなのか?」などといった問いが包含されていることを指摘した.その上で,語り方に着目することの研究的意義として,どのようなアイデンティティが語られ,どのような相互作用が語り手と聞き手の間でなされたのかを詳述する「アイデンティティの腑分け」が,また語り方に着目する教育的意義として調査者(聞き手,書き手)の積極的な関わりを認める「語り手と聞き手,読み手と書き手によるアイデンティティの相互交渉」をそれぞれ指摘した.

  • *髙嶋 洋
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2022年 2022 巻 G3-O-7
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    「人工地層」は人為の働きによって形成される地層と定義される(Nirei,et,al, 2012).人の地質体への働きかけは拡大の一途をたどり,都市地質の主体は人工地層である.さらに,人為による土地改変は都市の地形や水循環を大きく変容させている.

    髙嶋・吉富(2021)は,陸域において形成される盛土アソシエーション(楡井,1995)の発達状況と都市地形の解析を行い,土地改変箇所の地形的上流側や周辺の開発箇所との間において,未開発地などが残され,プール状に地形的凹地が形成される現象を確認した.開発行為では,流水調整はなされるものの,地形的連続性や整合性までは問われない.開発地とそれ以外の土地において,人為的かつ非意図的に不連続な地形的凹地が形成されることから,これを堰き止め地形と定義している(髙嶋・吉富, 2021).

    盛土アソシエーションは,それぞれ盛土の目的に合致した盛土材で形成されるが,形成された人工地層の層序及び層相の観察から,人の意図を判別するのは,極めて難しい.しかし,航空写真や現場報告書などの記録に残る特性を有しており,「人が作成した情報」を活用することにより,解析が可能である(髙嶋・楡井, 2019).一方,直径数mの地下浸透池と30haを超える堰き止め地形の形成では,施工方法や期間も大きく異なり,開発の規模や目的によって,地層の形状や層相に違いが発生することが想定される.そこで,堰き止め地形の航空写真判読を実施し,地層の形成過程の検証を行った.解析時間スケールは,航空写真が撮影された数年~10年オーダーの変化である.

    千葉県野田市では,下総層群の洪積台地に発達した谷津低地の河川接続部において,高規格堤防が建設され,堰き止め地形が形成されている(髙嶋・吉富, 2021).高規格堤防は北側の座生地区が1995年に,また南側の堤台地区が2002年に開発が開始され,それぞれ1998年,2004年に完了している.堤台地区では,1995年に水路沿いの道路部分に盛土され,2002年に全面で盛土が開始されている.また,この間,地下化される堤台幹線が掘削され,構築された.盛土の際は,転圧をかけるため,施工区ごとに何層もの転圧層が形成されたと推定される.なお,隣接する座生地区の盛土アソシエーションの一部は,2002年の盛土で覆われている.開発区域外との関係は,敷地境界で仕切る場合と旧地形面にかぶせる形態が存在するものと考えられた.

    一方,鹿児島県霧島市の国分平野の調査地では,1946年以前に天降川の旧河道低地を東西に横断する形で,調査地北側に日豊本線の線路が,また,西側には農業用水路が,南北に続く盛土アソシエーション上に構築された.南側の県道は1970年から1975年までの間に3期にわたり盛土して直線化された.農業用水路の西側の天降川との間では,1970年代から造成が開始され,水路の付け替え工事ののち,北側隣接地では圃場整備が行われた.1975年より盛土と共に大規模工場が建設され,1978年には工場の東側隣接地でも盛土が実施された.これにより,工場敷地から農業用水路まで一体化されている.1989年には,工場北側の圃場整備地も含めすべて工場敷地として造成されている.一方,1970年以降,県道両脇では,沿道サービスの開発が行われた.このため,盛土アソシエーションは細かなパッチワーク状に広がっている(吉富他, 2021). いずれの開発においても,開発の対象となる土地の区割りに基づき,盛土が実施されるため,パッチワーク状に人工地層が形成されることが判明した.

    楡井 久, 鈴木喜計, 佐藤賢司, 古野邦雄, 1995, 地質環境における新しい単元の形成, URBAN KUBOTA 34, 2-9.

    Nirei, H., Furuno, K., Osamu, K., Marker, B. & Satkunas, J. 2012. Classification of man made strata for assessment of geopollution. Episodes, 35, 333-336.

    高嶋 洋・楡井 久,2019,人工地層の観察と人為堆積物との比較による層序特性, 第29回社会地質学シンポジウム論文集, 149-152.

    高嶋 洋・吉冨 邑弥, 2021, 人工地層による堰き止め地形, 第31回社会地質学シンポジウム論文集,59-62.

    吉冨 邑弥・田中 龍児・高嶋 洋, 2021, 霧島市国分野口地区における人工地層の発達過程と堰き止め地形, 第31回社会地質学シンポジウム論文集,63-66.

  • *髙嶋 洋
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2022年 2022 巻 T13-O-18
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    水は循環性資源であり,都市において上水道は重要な生活インフラである.近年,日本の人口減少に伴い,水道経営が厳しさを増す中,持続可能な水道システムの構築が喫緊の課題となっている.身近な上水道水源としては,地下水が注目されているが,とりわけ湧水は,地盤沈下など地下への負荷がなく,組み上げに係る電力を必要としないなど,環境面で低負荷な水源として期待される.一方,地表に接する地下水であるため,汚染や渇水,湧水停止などのリスクを有し,持続的に利用するためには,土地利用に係る脆弱性の検討や地下水の涵養・湧出機構の解明及び湧水のモニタリングなどが重要となると考えられる.

    湧水を利用する上水道は,水道統計の水道水質データベースが公表されており,浄水場別,原水の種類別に1日平均浄水量が確認される(日本水道協会, 2021).最新データは令和元年度のものであるが,原水の種別が湧水に限定される1日平均浄水量を集計し,水道事業体別に湧水利用量を調べた結果,日本最大の湧水利用量を誇る水道事業体は鹿児島県霧島市であることが判明した.人口125,000人を擁する霧島市は,浄水量の8割近くが湧水起源であり,極めて高い湧水ポテンシャルを有する地域と考えられる.また,2位は鹿児島市,4位は鹿屋市,5位が熊本県人吉市,9位が宮崎県小林市であり,南九州の自治体が10位以内に多くリストされることが判明した.一方,日本最大の柿田川湧水を有する静岡県は,3位に伊東市,8位に伊豆の国市,10位に富士宮市が確認された. 鹿児島県霧島市の主要な水源は,台明寺や奥新川などが認められ,いずれも日量1万トン以上を湧出する(日本水道協会, 2021).このうち,奥新川水源地には,地区内に数多くの湧水が確認されるほか,日量30,000トンを湧出し,観光地となっている「大出水の湧水」が存在するなど,極めて湧水が豊富な地域である.当地区の湧水は,霧島市の国分平野を北北東から南南西に流下する天降川の中流域において,これに接続する久留味川沿いに分布する.奥新川水源地で最大の湧水量を誇る奥新川第3水源地や大出水の湧水は,いずれも加久藤火砕流堆積物の中から地下水が湧出している.当地区の加久藤火砕流堆積物は,概ね水平の堆積層で弱~中溶結を呈し,目が詰まった断裂が数mおきに発達するが,湧出口は1m程度の孔となっている(霧島市上下水道部聞き取り).当該地区は広く入戸火砕流堆積物に覆われ,加久藤火砕流堆積物は河床付近にのみ認められ(大木・湯浅, 2012),露出が少ない.また,入戸火砕流堆積物が100m以上厚く堆積しており,観測可能な井戸も認められない.このため,地下水湧出機構の具体的な研究事例は確認できていない.

    一方,当該地区は,露木(1969)が示した北北東-南南西方向に発達する鹿児島地溝帯内に存在し,数多くの温泉湧出箇所が天降川沿いに分布する.湧水が集中する奥新川周辺では,河川は北西-南東方向に流路を持つが,妙見温泉や安楽,日の出,新川温泉など河床から直接湧出する温泉が多数観察される.平面的には,久留味川が天降川に合流する地点付近を境に湧水地帯と温泉湧出地帯が明確に区分され,これより北西側には湧水のみが認められ,南東側には温泉湧出が分布する.温泉は炭酸泉で鉄分を含み,飲用には適さないため,これらを明確に区分する地質構造が,地域の湧水を保全しているものと考えられる.

    本論では,都市を支える湧水の存在と,その地質状況および水文地質構造を概観し,持続可能な水道水源の特性と在り方を考察する.

    (公社)日本水道協会, 2021, 水道水質データベース, http://www.jwwa.or.jp/mizu/(20220627閲覧).

    大木公彦・湯浅秀隆, 2012, 天降川中流・上流域の地形・地質に関する一考察. 鹿児島大学理学部紀要, 45, 19-29.

    露木利貞, 1969, 九州地方における温泉の地質学的研究(第5報) 鹿児島地溝内の温泉-特に温泉貯留体について. 鹿児島大学理学部紀要, 2, 85-101.

  • *仮屋 孝二
    年次大会
    2023年 2023 巻 J181-09
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/25
    会議録・要旨集 認証あり

    In this study, based on each inspection standard for automotive headlights, a headlight tester was used to investigate and analyze the correlation between high beam and low beam and irradiation characteristics of halogen headlights and LED headlights. The following contents were found from the experimental results. Compared to the proper irradiation characteristics of the halogen type headlight, when the headlight was replaced with the LED type, the irradiation direction did not fully satisfy the applicable range, but the irradiation luminous intensity increased two to three times. The irradiation intensity with respect to the irradiation time decreased by about 10% after 3 minutes and by about 30% after 40 minutes with the LED type. After that, there is little change until 120 min. With the halogen formula, the pressure gradually decreased by about 10 to 20% until 60 minutes later, and then remained little changed until 120 minutes. The irradiation direction with respect to the irradiation time is almost the same for both the LED type and the halogen type from immediately after lighting up to 120 minutes later.

  • *仮屋 孝二
    年次大会
    2022年 2022 巻 J181-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/25
    会議録・要旨集 認証あり

    In this study, we investigated and analyzed the correlation between high beam and low beam and the low beam irradiation characteristics of LED head lamps using a headlight tester based on each inspection standard for automotive headlights. From the experimental results, it was confirmed that the irradiation characteristics switched to the low beam did not fully satisfy the inspection criteria with respect to the appropriate irradiation direction and luminosity of the high beam. It was also found that when the halogen lamp was changed to the LED head lamp in the low beam of the 4-lamp type headlight, the change in the irradiation direction was small, but the increase in the irradiation light intensity differed depending on the vehicle.

  • *仮屋 孝二
    年次大会
    2021年 2021 巻 J181-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/25
    会議録・要旨集 認証あり

    In this study, we investigated and analyzed the correlation between high beam and low beam and irradiation characteristics using a headlight tester based on each inspection standard for automobile headlights. From the experimental results, it was confirmed that the irradiation characteristics of switching to the low beam do not fully satisfy the inspection criteria with respect to the appropriate irradiation direction and luminosity of the high beam. In particular, the clarity of the cut-off line is important for low beam measurement, and the elbow point cannot be measured accurately without a certain luminous intensity, and there is a concern that an inappropriate irradiation direction may lead to poor visibility. Therefore, the optimum adjustment position and low-luminosity irradiation characteristics were examined.

  • –PMCDF第3版を活用する–
    三宅 由美子
    プロジェクトマネジメント研究報告
    2022年 2 巻 1 号 53-58
    発行日: 2022/04/20
    公開日: 2022/04/22
    研究報告書・技術報告書 フリー

    プロジェクト・マネジャーは,所属組織から求めるコンピテンシーが示されれば,プロジェクトマネジメント教育を受けたり,プロジェクトを実践したりする際に,そのコンピテンシーを獲得できるように行動することができる.しかしながら,近年のプロジェクト・マネジャーは,ウォーターフォール開発だけではなく,アジャイル開発をマネジメントする機会が増加し,求められるコンピテンシーが変化してきている.PMCDF第3版は,PMのコンピテンシー開発のためのフレームワークであり,組織が求めるコンピテンシーを定義するときに役立つ.本論文では,PMCDF第3版を活用したDX時代のプロジェクト・マネジャーのコンピテンシー定義について提言する.

  • 中井 雄貴, 木山 良二, 川田 将之, 宮﨑 宣丞
    デサントスポーツ科学
    2022年 43 巻 120-127
    発行日: 2022/06/20
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル フリー

    本研究はローラーマッサージを使用した腰背部の自己筋膜リリースが体幹機能に及ぼす影響を検証することを目的とした.健常男子大学生18名を対象に,ローラーマッサージによる介入とコントロール(安静)の2条件をランダムに実施するクロスオーバー試験を実施した.介入の前後に長座体前屈,腹部体幹筋力,腰部筋・筋膜の滑走性を超音波画像診断装置にて評価した.皮下組織と多裂筋の経時的な移動速度をエコー動画分析ソフトにて算出し,両者の相関係数で滑走性を分析した.その結果,柔軟性( p=0.004),腹部体幹筋力( p=0.016),滑走性( p=0.004)すべてで介入効果に差を認めた.ローラーマッサージによる介入では,柔軟性(+ 1 .39cm, p=0.003),体幹筋力(+ 1.84kPa, p<0.001),滑走性(-0 .079, p=0.009)に有意な改善を認めた.ローラーマッサージを用いた腰背部の自己筋膜リリースが,腰部の柔軟性,腹部体幹筋出力,筋筋膜の滑走性の向上に寄与することが示唆された.

  • *本 健秀, 武田 昇大, 片野田 洋, 髙口 裕芝
    年次大会
    2021年 2021 巻 J191-17
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/25
    会議録・要旨集 認証あり

    Hybrid rockets use different phases of oxidizer and fuel as the propellant to obtain thrust. Hybrid rockets have advantages such as higher safety, lower cost compared to conventional type rockets, and restart ability. However, they have a disadvantage of low thrust. In FY2019 research and development of our rated thrust 50kgf class engine, the target thrust was achieved and the engine development was successful. On the other hand, the launch of the rocket powered by the engine failed due to insufficient initial thrust in the launch experiment. In this study, authors aim’s is to develop a small hybrid rocket engine with a rated thrust of 70kgf class, using LOX as an oxidizer and PMMA as a fuel and to increase the thrust by improving the design of the internal parts of the engine without changing the size of engine casing. Static firing tests and performance evaluations of the engine were conducted. As a result, (1) a target thrust of 686N (70kgf) was achieved by increasing the fuel port inner diameter, nozzle throat diameter, and the oxidizer mass flow rate. (2) Compared to the 50kgf engine, there was a decrease in combustion pressure and thrust with time. The reason of the decrease in the combustion pressure and thrust with time is that the relatively fast decrease of He gas pressure for pressurization which was caused by the faster decrease LOX residual due to the increased LOX flow rate.

  • *国際P2M学会編集委員
    国際P2M学会研究発表大会予稿集
    2021年 2021.Autumn 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/16
    会議録・要旨集 フリー
  • 外山 正道, 近藤 雄基, 吉田 一朗, 沼田 宗敏, 神谷 和秀, 輿水 大和
    精密工学会誌
    2023年 89 巻 2 号 207-212
    発行日: 2023/02/05
    公開日: 2023/02/05
    ジャーナル フリー

    The spline filter (SF) used the inverse matrix can measure the roughness without wasting the data at both ends of the input data. But when input data include outliers, the output of the SF greatly fluctuates. Therefore, “Fast M-estimation Spline filter (FMSF)” was proposed. In order to apply the SF to the fast M-estimation method, convolution-type SF is used instead of inverse matrix-type SF. FMSF performs robustly to input data including outliers, and gives the same output as that of convolution-type SF to input data without outliers. However, the convolution-type SF is made from an approximate formula. It needs a larger filter to improve accuracy of SF. This require a huge computational cost for convolution. There is a trade-off between approximation error and computational cost. To solve these problems, we propose “frequency-domain-type FMSF.” This allows the use of the SF transmission characteristics function instead of the convolution-type SF. The SF transmission characteristics function has no approximation error and exactly matches the SF output. Furthermore, the FMSF requires O(N2) computational cost. However, by using Chirp-Z transform to discrete Fourier transform, the proposed method can reduce the computational cost to O(N logN).

  • *髙嶋 洋, 張 池
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2023年 2023 巻 T16-O-19
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/10
    会議録・要旨集 フリー

    人工地層は人為の働きによって形成される地層と定義される(Nirei et al., 2012).人の地質体への働きかけにより,都市地質の主体は人工地層である.人工地層は、 陸域において形成される盛土アソシエーション(以下,盛土As)と水域だった土地の埋め立てで形成される埋立アソシエーションに区分される(楡井他,1995).都市域において盛土Asは,容易に地形改変が出来る利便性があり,多用されているが,時に堰き止め地形(髙嶋・吉富, 2021)を形成し,水循環に大きな影響を及ぼす場合がある.しかしながら,都市域において主要な地質体であるにも関わらず,地層の岩相や層序の解析が行われることはほとんどない.これは,盛土Asの特性として,開発の範囲や時期が個々に異なり,異なる盛土材が使用あるいは再利用されることにより,形成される盛土Asの岩相は極めて多様で、地層の連続性にも乏しい(Ford et al., 2014)ことが理由の一つと推定される.  一方,一般に盛土材は,運搬コストより,施工地近傍から入手されることが多い.同一の地質体が連続する地域では,こうした地質体由来の盛土材が使われる機会も多く,岩相的に自然地層類似の人工地層が分布することとなる.こうした地域では,人工地層の確認や人自不整合(楡井他, 1994)の認定が岩相的に大変難しくなるが,岩相による検証はほとんど行われていない. 鹿児島県霧島市は鹿児島地溝帯(露木, 1969)に位置し,市の中心市街地である国分地区は,国分平野の河川低地,並びに段丘面上に発達する.国分平野周辺には,姶良カルデラから噴出した入戸火砕流堆積物が厚く堆積し,広くシラス台地が形成されている(荒巻, 1969).シラスは掘削が容易で加工・運搬しやすいため,盛り土材として地域で広く利用され,周囲には土取り場もいくつか存在する.あわせて,入戸火砕流堆積物の下位に存在する岩戸火砕流堆積物の土取り場も存在し,概ね2種類の盛り土材が市中で使用されている可能性が高い.そこで,国分平野に形成された盛土Asの層序観察と試料採取を実施し,周辺土取り場から得られる地質試料の粒片観察による鉱物種の構成比や粒度組成を比較して,それぞれの地層体の特性を検討した.  国分地区の2か所で観察された人工地層と地域に存在する入戸火砕流堆積物及び岩戸火砕流堆積物から得られた鉱物粒子の観察した結果,人工地層と自然地層の鉱物種は極めて類似しており,斜長石,石英,斜方輝石,磁鉄鉱とほぼ同一の鉱物種で構成されることが判明した.また,火山ガラスの形態で区分した種構成も同様の結果であった.ただし,人工地層においては,異地性と考えられる黒雲母の付加が1か所で確認された.また,鉱物/火山灰数の比率を確認したところ,入戸火砕流堆積物と岩戸火砕流堆積物は異なる結果が得られたが,人工地層の鉱物/火山灰数量比は入戸火砕流堆積物の構成比に近い結果が得られた.一方,路盤材の砕石層から得られた鉱物粒子は,セメント由来と推定される物質に一部あるいは全部がコーティングされており,鉱物種の判別つかないものが大半であることが確認された.荒牧重雄, 1969, 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物,地質学雑誌. 75, 425-442.Ford, J. R., Price, S. J., Cooper, A. H. & Waters, C. N., 2014. An assessment of lithostratigraphy for anthropogenic deposits, A Stratigraphical Basis for the Anthropocene. Geological Society, London, Special Publications, 395, 55-89. 楡井 久,佐藤賢司, 鈴木喜計,古野邦雄, 1994, 環境における地質単元, 地質雑, 100, 425-435. 楡井 久, 鈴木喜計, 佐藤賢司, 古野邦雄, 1995, 地質環境における新しい単元の形成, URBAN KUBOTA 34, 2-9. Nirei, H., Furuno, K., Osamu, K., Marker, B. & Satkunas, J. 2012. Classification of man made strata for assessment of geopollution. Episodes, 35, 333-336. 露木利貞, 1969, 九州地方における温泉の地質学的研究(第5報) ,鹿児島大学理学部紀要, 85-101. 髙嶋 洋・吉冨邑弥, 2021, 人工地層による堰き止め地形, 第31回社会地質学シンポジウム論文集,59-62. 上野龍之, 2001, 火山灰粒子組成の側方・垂直変化から見た入戸火砕流の堆積機構, 火山, 46, 257-268.

  • プロジェクトマネジメント研究報告
    2023年 3 巻 1 号 107
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/03/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • プロジェクトマネジメント研究報告
    2024年 4 巻 1 号 118
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/03/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • プロジェクトマネジメント研究報告
    2022年 2 巻 1 号 117
    発行日: 2022/04/20
    公開日: 2022/04/22
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • -大学生のPMコンピテンシー確認-
    三宅 由美子
    工学教育研究講演会講演論文集
    2022年 2022 巻 3E09
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/01
    会議録・要旨集 フリー
  • 幼児の誤飲事故の防止の観点から
    李 志炯, 菅谷 憲一
    芸術工学会誌
    2022年 84 巻 12-19
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究では、幼児の医薬品誤飲事故発生時の現場状況を参考に誤飲事故の主な原因であるPTPシートに対する印象に焦点を絞り、PTPシートにおける気持ち悪さを喚起するトライポフォビックな円形集合体形状を取り付けることによる印象の変化とそれによる行動の変化を調査した。その結果、気持ち悪さによりPTPシートに対する印象が「好き」から「嫌い」に変化することが明らかになった。また、PTPシートに対する印象は円形の配列による連想イメージに影響されやすく、気持ち悪さを感じてもポジティブなイメージが連想されれば好印象を持つことが明らかになった。一方、上記の印象の変化はPTPシートを触る行動にも影響を与え、気持ち悪さによりPTPシートを触った人数は減少する傾向が見られたものの、円形の配列による連想イメージによって触った回数、触った総時間が増減することが明らかになった。これらのことから円形集合体形状による気持ち悪さとその配列による連想イメージが幼児のPTPシートに対する印象と行動に与える影響を確認することができた。
  • 知能と情報
    2023年 35 巻 3 号 56-57
    発行日: 2023/08/15
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー
  • *仲田 知弘
    工学教育研究講演会講演論文集
    2022年 2022 巻 2A15
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/01
    会議録・要旨集 フリー
  • *髙嶋 洋, 竹内 真司, 風岡 修
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 R18-O-5
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    千葉県N市では,昭和63年にトリクロロエチレン等有機塩素系化合物(CVOC)による地下水汚染が確認され,千葉県の協力の下,過去に7カ所で地質汚染機構解明調査及び対策が実施されてきた.これらはすべてオールコアボーリングにより汚染サイトの地質構造解析を行い,地質層序の単元ごとに汚染の存在を確認した上で,当該単元情報を基に構築された帯水層単元にあわせて観測井戸を設置し,地下水位や水質を観測する手法で行われた.また,地域の土地利用の変遷等の地暦や地形,周辺の地下水利用状況,周辺井戸の諸元等の調査も併せて実施され,総合的な解析が行われた.調査範囲は敷地境界に関わりなく,汚染が検出されなくなるまで追跡が行われ,科学的に汚染経路と汚染範囲を明確にした(例えば髙嶋他、2008).こうした地質単元を詳細に観察し,科学的に地下水流動を把握する調査手法は単元調査法と呼ばれている(楡井、2007).当該調査は,行政と研究者,汚染の存在が確認された企業,地下水利用者等がチームを構成し,地域自治会や周辺企業等の協力を得て実施された. 汚染機構解明調査の結果より,汚染原因や機構が明確になるため,調査後の汚染対策及びモニタリングは基本的に汚染原因者や汚染土地所有者等が主体となって実行され,行政はこの進捗を確認している.対策手法は概ね不飽和帯の地下空気汚染対策及び揚水ばっ気処理によるものである.対策手法やその規模は,対策主体の実情に合わせて取りうる範囲で実施される.こうした活動はすでに調査対策から15年~20年を経過し,浄化対策が進展した箇所も多いが,今なお継続されている.浄化規模や手法の違いもあるが,根本的に地下に浸透した汚染物質を取り除くことはきわめて難しい.また,この程度の時間経過では自然減衰しないことも明確となった.N市で行ったMNA(自然減衰能力)の検討(Takashima et.al, 2015)においても,汚染の減衰はほとんど期待できない結果であったが,これが確認された形である. 地下水汚染状況は,継続的なモニタリングによりサイトごとに経時的に確認されている.この結果,浄化が進むサイトでは周辺の地下水濃度の大幅な低下が認められる.また,モニタリング対応中心のサイトでは,現状の場を形成する地下水利用状況において、ほとんど汚染が移動せず,その場にとどまっていることが明かとなった(例えば井上・竹内、2020).単元調査法により汚染機構と汚染プリューム全体が,当初の調査の段階でほぼ完全に掌握されているため,調査対策から20年を経て,なお,汚染の状況を明確に説明可能となっている.これは,モニタリングが継続されているからであり,かつその基礎となった単元調査法が科学に忠実に実施されたからである.さらに,この取り組みは,曝露経路の明確化による地域住民の健康の確保と周辺の地下水利用の安全性の確保に大きく寄与している. 土壌汚染対策法が施行されて約20年が過ぎようとしているが、指定の解除後の除去対策の効果を確認するスキームは与えられていない.逆に、汚染対策を行ったにもかかわらず、観測井からの汚染検出が続き、指定解除できない事例など、問題も指摘されている.長い年月の間に汚染原因者は土地を売却し,地下水汚染との関わりを断つことが出来るかもしれないが,地域の住民や自治体はその土地を離れることは出来ない.その地域の地下水は依然としてその地域に存在し,自然の法則に従い流動し,そして活用されている.健全な水循環を確保し,持続可能な地下水汚染対応を真剣に考えた時,単元調査法に基づく汚染調査対策手法がかつて実施され,未だに効果を上げていることは注目に値すると考えられる.

    井上雄太・竹内真司, 2020MS, 千葉県野田市における揮発性有機塩素化合物の汚染分布の現状と将来予測, 日本大学文理学部地球科学科, 47.

    楡井久, 2007, 単元調査法と無単元調査法. 産業と環境, 7, 68-72.

    髙嶋 洋・古野邦雄・楠田 隆, 2008, 1.1.1.トリクロロエタンによる地下水汚染機構と汚染分布特性, The Proceedings of the 18th Symposium on Geo-Environments and Geo-Tecnics, 57-62.

    TAKASHIMA H, UTSUGI K, HOSHOTANI T, KAZAOKA O, SAKAI Y, KAGAWA A, 2015, The examination of Dehalococcoides sp. on VOCs groundwater pollution site in NODA City, The Fifth International Symposium on Man-Made Strata and Geo-Pollution, Urayasu Chiba JAPAN, 107-112.

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