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クエリ検索: "糖タンパク質"
5,774件中 1-20の結果を表示しています
  • 山垣 亮
    分析化学
    2005年 54 巻 10 号 983-990
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/22
    ジャーナル フリー
    糖鎖構造異性体解析をマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析及びエレクトロスプレーイオン化質量分析を用いて行った.ポストソース分解法もしくは低エネルギー衝突誘起解離質量分析法ではグリコシド結合が切断されてプロダクトイオンが生成する.これらプロダクトイオンのイオン強度を解析することで,構造異性体の識別を行った.糖鎖の構造異性体を分岐異性体,結合異性体,単糖間異性体に分類し,解析を行った.
  • 高垣 勝, 竹下 哲生, 柴田 聡明, 常光 旭
    口腔衛生学会雑誌
    1985年 35 巻 5 号 762-772
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/10/27
    ジャーナル フリー
    唾液中の
    糖タンパク質
    は, 獲得被膜の構成成分として歯垢の基質形成に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究においては, 唾液
    糖タンパク質
    と口腔細菌の結合性を明らかにする目的で, ヒト顎舌下腺唾液よりシアル酸を多く含む
    糖タンパク質
    を高速液体クロマトグラフィーを用いて分離し, 〔14C〕で標識したこの
    糖タンパク質
    標品を用いて口腔細菌との結合性を調べた。
    その結果, ヒト顎舌下腺唾液より得たシアル酸を多く含む
    糖タンパク質
    は, 分子量, 約110,000のサブユニットから成る4量体を構成しており, 供試菌株のうち通性嫌気性菌のStrePtococcus sanguisおよび嫌気性菌群のBacteroides gingivalisと高い結合性がみられた。しかし, 菌体を加熱処理するとすべての菌株において,
    糖タンパク質
    と口腔細菌の結合性は, 著しく低下したが, トリプシンで菌体を処理した場合は, 通性嫌気性菌と嫌気性菌との間には, 著しい差異がみられた。
  • *原園 景, 川崎 ナナ, 伊藤 さつき, 橋井 則貴, 中島 紫, 川西 徹, 山口 照英
    日本プロテオーム学会大会要旨集
    2006年 2006 巻 S2-7-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】血清中に存在するタンパク質の多くは糖鎖修飾を受けており、ある種の
    糖タンパク質
    の糖鎖部分の構造は、病態により変化することが知られている。血清中の
    糖タンパク質
    の糖鎖を解析しその差異を明らかにすることにより、疾患の診断につながることが期待される。そこで、本研究ではLC/MS/MSを用いて血清中の代表的な
    糖タンパク質
    の糖鎖構造を解析するための方法の開発を行った。 【方法】市販の標準ヒト血清
    糖タンパク質
    (トランスフェリン、IgG、ハプトグロビン、セルロプラスミン等)、およびアルブミンを部分的に除去した血清を還元カルボキシメチル化し、トリプシン消化した。LC/MS/MSを行い、糖ペプチドイオンの帰属を行った。 【結果】はじめに、標準ヒト
    糖タンパク質
    トリプシン消化物のLC/MS/MSを行い、いくつかの糖ペプチドの保持時間およびMS/MSスペクトルを確認した。次に、トリプシン消化した血清のLC/MS/MSを行い、糖ペプチドイオンの相対的な保持時間、推定m/z、MS/MSスペクトル等の情報を元に、トランスフェリンの二個の糖ペプチド、IgG1、IgG2、IgG4のFc部分の糖ペプチド、およびハプトグロビン、セルロプラスミン等の一部の糖ペプチドイオンを帰属し、結合糖鎖の概要を明らかにすることが出来た。 【考察】糖ペプチドのMSスペクトルから、結合部位毎の糖鎖を明らかにすることが出来るが、これまでは複雑な混合物である血清試料を用いた場合、糖ペプチドイオンを帰属することは困難であった。本研究において、予め測定して得た標準糖ペプチドの情報(保持時間、m/z、データ依存的MS/MSが行われていればMS/MSスペクトルの類似性)を利用することで、強度の弱い糖ペプチドイオンであっても帰属することが出来、複数の
    糖タンパク質
    の結合糖鎖の概要を明らかにした。血清
    糖タンパク質
    のトリプシン消化糖ペプチドの情報を蓄積することで、より多くの
    糖タンパク質
    の糖鎖結合部位の糖鎖に関する情報を混合物中から直接得ることが出来ると考えられる。
  • 金沢 武道, 寺田 俊夫, 小松 徳弥, 井沢 和弘
    動脈硬化
    1976年 4 巻 1 号 51-63
    発行日: 1976/04/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    Twenty persent glucose solution in 500ml water was administered to 131 patients with hypertension, diabetes mellitus or heart disease, any of whom did not suffered from infection, cancer or renal failure; and only 500ml water was administered to 13 healthy persons and to 6 diabetics.
    The serum, the urine and the saliva were obtained hourly or continuously before and after the glucose or water administration.
    Total binding hexose (TBH) of each body fluid was measured according to the method of Sato (Toshiko) devised for serum total protein-bound hexose.
    Experiment 1
    Results obtained are as follows:
    1) The mode of hourly changes of TBH in the serum, the urine and the saliva were different between the glucose administration and the water one.
    2) A significant difference was found among the relationship of the hourly changes of these TBHs by glucose administration to ageing, to glucose tolerance and to aortic arch calcification.
    Experiment 2
    Fractionation of TBH was performed by sephadex G-100 column chromatography in the serum, the urine and the saliva of 5 healthy persons in order to investigate whether these TBHs of the 3 body fluids were the same substance or not, with the following result: The TBHs of the 3 body fluids were not the same, as the fractionated patterns of the 3 fluids differed from each other.
    Experiment 3
    The extract of the intima and media of the aorta was gotten by using 0.02M NaCl with pH 6.8. The fractionated pattern of the extract TBH was similar to that of the serum TBH, though different from that of the urine TBH and the saliva TBH.
    Comment and conclusion
    Ageing, diabetes mellitus and aortic arch calcification have been regarded as similar factors to arteriosclerosis by many investigators.
    However, according to our results from the view point of TBH, these 3 arteriosclerotic factors are not the same biologically and mechanically.
  • 低分子結合糖の起源について
    金沢 武道, 寺田 俊夫, 小松 徳弥, 盛 英機, 目時 弘文, 井沢 和弥, 渋谷 耕司, 伊藤 久夫, 川島 せつ, 米田 豊次, 大池 弥三郎, 松井 哲郎
    動脈硬化
    1976年 4 巻 3 号 203-208
    発行日: 1976/10/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    The relationship of urinary low-molecular binding hexoses to hypertension or diabetes has been reported by our clinic.
    The binding hexoses in urine were fractionated into FrI, FrII and FrIII by Sephadex G-100 column chromatography. The molecular weight of the three fractions was in the order of FrI>FrII>FrIII. Though there was much low-molecular binding hexose (FrIII) in urine, there was little in serum and blood corpuscles.
    By the column chromatography, the FrIII was demonstrated as a clear peak in the extraction of the renal cortex, but only as an unclear one in that of the renal medulla.
    The FrIII of urine or renal cortex obtained by Sephadex G-100 column chromatography was then divided into four fractions by Sephadex G-15 column rechromatography, the patterns of which were similar in both materials.
    The molecular weight of the first peak in the Sephadex G-15 chromatography was thought slightly larger than that of raffinose.
    It is concluded that the renal cortex seems to be one of the main sources of the FrIII in urine.
  • 加藤 靖夫, 中村 照子, 武内 民男
    日本蚕糸学雑誌
    1991年 60 巻 3 号 208-213
    発行日: 1991/06/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    カイコ体液中に見出されるレクチンは, 5齢初期において不活性型として存在し, 熟蚕期において活性型となり羊赤血球凝集活性能を顕著に発揮するが, 4齢幼虫体液中においても5齢初期と同様な不活性型レクチンの存在することを確認した。そこで, 抗幼若ホルモンおよび抗エクジステロイド作用を有するテルペノイドイミダゾール (KK-42) を4齢幼虫に経皮投与し, カイコ体液の羊赤血球凝集活性に及ぼす影響を調べた。その結果, KK-42の経皮投与によりカイコは幼虫脱皮することなく, 4齢が終齢となり蛹化し変態を完了させた。また, KK-42を経皮投与したカイコの体液中から得たレクチンは4齢末期にも関わらず活性型となっており, レクチンの活性がテルペノイドイミダゾールの影響を受けることが示唆された。
  • 林 英龍, 佐々木 龍平, 青木 亨, 高久 史麿, 笠原 忠, 劉 禎輝
    臨床血液
    1982年 23 巻 4 号 459-463
    発行日: 1982年
    公開日: 2009/01/26
    ジャーナル 認証あり
    Sialyltransferase is one of the glycosyltransferases which participate in the biosynthesis of the oligosaccharide chains of membrane glycoproteins and glycolipids. In this study, the optimum conditions for assaying sialyltransferase activity of human normal hemopoietic cells and leukemic cells were surveyed. Also, the relation between sialyltransferase activity and the differentiation of the leukocytes was investigated. In general, sialyltransferase activity of B lymphocytes from the peripheral blood of normal controls was higher than that of mature T lymphocytes from the peripheral blood. T and B lymphocytes from the enlarged tonsil contained higher sialyltransferase activity than that of T and B lymphocytes from the peripheral blood of normal controls. Mature lymphocytes from the peripheral blood of normal controls contained higher sialyltransferase activity than those of the lymphoblasts from acute lymphoblastic leukemia cases and of mature granulocytes from the peripheral blood of normal controls. In contrast, sialyltransferase activity of the myeloblasts from acute myeloblastic leukemia cases was higher than that of the granulocytes from the peripheral blood of normal controls.
    Accordingly, these findings suggest the close relation between the change in sialyltransferase activity, the differentiation and the leukemic transformation of the leukocytes.
  • 糖タンパク質グルコース転移酵素の機能解明のためのプローブとなる変性糖タンパク質
    Masayuki Izumi, Tatsuto Kiuchi, Yukishige Ito, Yasuhiro Kajihara
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2013年 25 巻 141 号 1-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    糖タンパク質
    の品質管理機構は小胞体内に存在し、ミスフォールドした
    糖タンパク質
    を見分けて排除している。この機構において鍵となるのがUDP-グルコース:
    糖タンパク質
    グルコース転移酵素(UGGT)であり、ミスフォールドした
    糖タンパク質
    のみをモノグルコシル化することでフォールディングセンサーとして機能する。このモノグルコシル化は、レクチン様シャペロンであるカルネキシン/カルレティキュリンによるリフォールディングの目印となる。UGGTによるミスフォールド体の認識機構を解明するために、さまざまなミスフォールドした
    糖タンパク質
    のモデルが報告されている。生物学的手法を用いるとさまざまなモデル
    糖タンパク質
    を調製することができるが、これらは糖鎖構造とタンパク質部分の構造に不均一性が見られることが多い。最近、筆者らは均一な変性
    糖タンパク質
    を調製するために化学合成法を導入した。化学合成法では小型
    糖タンパク質
    ではあるものの、均一な糖鎖構造を持ち、かつタンパク質部分の構造を自在に可変したものを合成することができる。この総説では、化学的および生物学的手法によるミスフォールド
    糖タンパク質
    プローブの調製法についてまとめた。これらの知見は、今後
    糖タンパク質
    の品質管理機構に関するさらなる研究の推進に役立つだろう。
  • 黒河内 政樹
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2018年 30 巻 177 号 J169-J179
    発行日: 2018/11/25
    公開日: 2018/11/25
    ジャーナル フリー

    近年、酵素化学的手法を用いた均一化された

    糖タンパク質
    の調製を行い、その
    糖タンパク質
    の機能を調査する研究が盛んになっている。通常、培養細胞によって生産された
    糖タンパク質
    は、不均一な糖鎖構造を持つ為、どの糖鎖構造が
    糖タンパク質
    の機能に作用しているかが不明瞭である。また、
    糖タンパク質
    が不均一性を示している為、X線結晶解析やNMRによる
    糖タンパク質
    の構造解析も困難にしていた。この問題点を解決する手法として、細胞の遺伝子改変技術による生合成経路の制御等が行われてきたが、均一化した様々な種類の糖鎖を持つ
    糖タンパク質
    を調製するのは、非常に困難である。その為、様々な糖鎖の付け替えを可能とするエンドグリコシダーゼを用いた酵素化学的手法が開発された。現在、
    糖タンパク質
    上の糖鎖構造が機能に寄与している例として、抗体の細胞障害活性がある為、抗体の糖鎖改変が数多く行われている。今回、これらの研究や技術を紹介して、今後の糖鎖研究の進展を議論する。

  • 山崎 総一郎, 吉原 秀一, 佐々木 睦男
    日本消化器病学会雑誌
    1999年 96 巻 7 号 817-823
    発行日: 1999年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    肝内結石症肝胆汁中のムチン
    糖タンパク質
    の性状を調べるために,本症患者と対照群の肝胆汁からムチン
    糖タンパク質
    をゲルろ過,超遠心法を用い精製し,生化学的に分析し比較検討した.またムチン
    糖タンパク質
    からヒドラジン分解で糖鎖を切り出し同様に比較検討した.本症肝胆汁中のムチン
    糖タンパク質
    の濃度は,対照群に比較し約10倍であった.また分子量,アミノ酸では,有意な差異はなかったが,糖組成ではN-ガラクトサミン,硫酸が本症胆汁で有意に増加していた.ムチン
    糖タンパク質
    の構成糖鎖を検討すると,本症のムチン
    糖タンパク質
    の糖鎖は糖鎖長の短い糖鎖が主体に構成されており,対照群ムチン
    糖タンパク質
    とは異なる代謝や生理機能を有する可能性を持つことが示唆された.
  • *松山 由美子, 工藤 寿治, 韮澤 崇, Katrin Sparbier, Arndt Asperger, Irina Kessler, Thomas Wenzel, Markus Kostrzewa
    日本プロテオーム学会大会要旨集
    2007年 2007 巻 P1-9
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】臨床プロテオミクス解析において、翻訳後修飾をうけた複雑で低含有率のタンパク質やペプチドを解析することは非常に困難とされており、そのためこのようなタンパク質やペプチドを直接解析することは、ほぼ不可能に近いとされている。また翻訳後修飾の中でも、糖鎖修飾は少なくとも50-80%の割合で起こり、これらのほとんどが特定の疾患と関係しているという報告もある。ヒトの血清には、このような
    糖タンパク質
    が多数含まれており、その数は数桁にものぼることが分かっている。そのため、血清から濃度の低い
    糖タンパク質
    を単離し、同定することを目的とした場合、それは非常に複雑なプロセスを必要とする。
     今回、血清中の
    糖タンパク質
    や糖ペプチドを選択的に濃縮、精製するために、レクチンクロマトグラフィーおよびBoronic acidへの共有結合を応用した磁性ビーズを前処理として用い、さらにLC-MALDIを組み合わせることで効率的に血清中の低含有量
    糖タンパク質
    を解析することを試みた。
    【方法】磁性ビーズは、ConA、WGAのレクチンと、Boronic Acidの3種類を用い、各ビーズの標準プロトコルに従ってヒト血清からビーズ特異的な糖タンパク・糖ペプチドの濃縮を行った。それぞれのビーズから得られたサンプルをトリプシンにて消化後、LCで分画しMALDI-TOF/TOF MSにて測定・解析を行った。
    【結果】レクチンやBoronic Acidのビーズを用いることで、それぞれに特異的な血清タンパクを選択的に濃縮でき、さらにヒト血清中に0.001 – 0.0001 g/lしか存在しないような
    糖タンパク質
    も検出および同定することができた。以上の結果より、磁性ビーズを用いた濃縮とその後のLC-MALDIの組み合わせにより、短時間で効率よく血清中の低含有量
    糖タンパク質
    を検出し同定することが可能となった。
  • Yoshinao Wada, Michiko Tajiri
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2008年 20 巻 113 号 173
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/09
    ジャーナル フリー
    誤:「型糖鎖付加部位の決定:ムチン型
    糖タンパク質
    へのアプローチ」を
    正:「O 型糖鎖付加部位の決定:ムチン型
    糖タンパク質
    へのアプローチ」に訂正します。
  • 武田 陽一, 菊間 隆志
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2022年 34 巻 199 号 J49-J53
    発行日: 2022/05/25
    公開日: 2022/05/25
    ジャーナル 認証あり

    UDP-グルコース:

    糖タンパク質
    グルコシルトランスフェラーゼ(UGGT)は、
    糖タンパク質
    の折り畳み状態をチェックするセンサーとして機能し、ミスフォールド
    糖タンパク質
    上のオリゴマンノース型糖鎖にグルコース残基を転移する。最近、我々はUGGT1がin vitroで変性
    糖タンパク質
    のフォールディングを促進することを示した。本稿では、最近明らかになったUGGTのコンフォメーションと機能、およびUGGT結合タンパク質であるSelenofの機能に基づいて、UGGT–Selenof複合体が誤って折りたたまれた
    糖タンパク質
    のシャペロンとして機能するかどうかについて議論したい。

  • 岡本 亮
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2017年 29 巻 165 号 J1-J11
    発行日: 2017/01/25
    公開日: 2017/01/25
    ジャーナル フリー

    化学的、化学酵素的合成法は、構造が規定された均一構造の

    糖タンパク質
    を得られる手法として、近年注目を集めている。最新の合成技術では、複雑な糖鎖構造をもつ
    糖タンパク質
    の合成が可能となっている。本総説では特に、しばしば大型の糖鎖が結合しているN-結合型
    糖タンパク質
    に注目して、最近の合成研究例と共に、合成技術の進展について紹介する。これらの技術によって得られる均一構造の
    糖タンパク質
    は、糖鎖構造に基づいた
    糖タンパク質
    機能の詳細な構造基盤の解明に貢献しうると共に、次世代の生物製剤となる可能性を秘めている。

  • 遠藤 正彦
    日本大腸肛門病学会雑誌
    1991年 44 巻 5 号 581-581,773
    発行日: 1991年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    消化管の粘膜上皮細胞から分泌されるムチン
    糖タンパク質
    は,分泌される消化管の各部位ごとにその性状が異なっている上に,同一部位でも不均一である。最近,消化管の癌や炎症との関係からムチン
    糖タンパク質
    に強い関心が払われるようになってきたが,このムチン
    糖タンパク質
    の構造と機能の関係は十分に解明されてはいない。大腸を中心としたムチン
    糖タンパク質
    の概要は以下の通りである。
    1)分子構造
    ムチン
    糖タンパク質
    は分子量約100万のサブユニットが重合し,分子量数100万から1,000万を越す巨大分子として存在する。消化管の中では大腸のムチン
    糖タンパク質
    の分子量が最も大きい。一つのサブユニットは分子量数10万のコアタンパク質(芯となっている部分)に,分子量数100から5000の糖鎖が100本以上結合している。コアタンパク質は,セリン,トレオニン,プロリンを約50%含み,これらのアミノ酸は糖鎖を結合している部分に多く局在している。
    糖鎖は,N-アセチルガラクトサミン,N-アセチルグルコサミン,ガラクトース,フコース,シアル酸よりなる。この糖鎖はいずれもN-アセチルガラクトサミンを介して,コアタンパク質のセリン(またはトレオニン)にO-グリコシド結合で結合している。糖鎖の長.さは,大腸のものが上部消化管のものより長く,且つ,コアタンパク質により密に結合している。この糖鎖は中性糖鎖(酸性基を含まない,ABO式血液型活性を担っているものがある)と酸性糖鎖(シアル酸や硫酸基を含む)に分けられる。酸性糖鎖,特に,硫酸化糖鎖は大腸下部程糖鎖の中で占める割合が多くなっている。
    この硫酸化糖鎖は抗菌性やタンパク分解酵素阻害活性が強い。
    2)存在様式と生理的役割
    これらのムチン
    糖タンパク質
    は,粘液成分として消化管腔へ分泌され,種々の物質と結合し,又,タンパク分解酵素阻害活性を有して粘膜を保護する役割を持つものと,粘膜上皮の管腔面を覆うゲル層を形成し,物質の選択的吸収を助け,又,タンパク分解酵素や細菌からの粘膜の直接的侵襲を防いでいるものの2種類存在する。両者の構造上の差異はまだ明らかになっていない。
    3)病態
    最近,癌病巣やその周辺粘膜においてムチン
    糖タンパク質
    の変化している事例が報告されている。又,癌に特異な糖鎖が見い出され,これに対する単クローン抗体も作成され,癌特異抗原としての診断的価値が高まっている。又,潰瘍性大腸炎やクローン病においても,ムチン
    糖タンパク質
    の糖鎖の異常が見い出されている。疾病状態と糖鎖の構造の変化が対応するということは,その糖鎖のもつ機能の上からも興味深い。
  • 岡本 亮
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2019年 31 巻 181 号 SJ87-SJ88
    発行日: 2019/07/25
    公開日: 2019/07/25
    ジャーナル フリー

    近年のタンパク質化学合成法の進歩は、複雑な構造をもつ

    糖タンパク質
    の合成も可能にした。本稿ではこの一例として、ムチン型O結合型
    糖タンパク質
    のひとつである、不凍
    糖タンパク質
    の化学全合成を紹介する。構造的に規定された均一構造の化学合成不凍
    糖タンパク質
    の機能解析を通して、 O-GalNAc化が構造や不凍活性を含む、AFGPの基本的性質の獲得に必須な最小のO-グリコシル化であることを明らかにした。

  • *森 美幸, 笠 正二郎, 山口 昇一郎, 磯崎 良寛, 上田 修二, 服部 眞彰
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2011年 104 巻 OR1-6
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】P
    糖タンパク質
    は,細胞の代謝物や毒性化合物等の細胞外排出を行う膜タンパク質であり,細胞の代謝機能の維持に重要な役割を担っているが,卵子や胚でのP
    糖タンパク質
    に関する報告は非常に少なく,ウシでは全く明らかにされていない。本研究では,ウシ卵子と体外受精由来胚におけるP
    糖タンパク質
    の発現を調査するとともに,体細胞のP
    糖タンパク質
    発現を高めることが知られているリファンピンとフォルスコリンを発生培地へ添加し,胚のP
    糖タンパク質
    発現および発生率,凍結後の生存性へ及ぼす影響を調査した。【方法】と畜雌牛卵巣から回収した卵子を用い,未成熟卵子から体外受精後の各発生ステージの胚を供試した。試験1:未成熟卵子,20時間成熟培養卵子,受精後2日目8細胞期,4日目16細胞期および7日目胚盤胞におけるP
    糖タンパク質
    の発現状況について,ウエスタンブロッティングにより調べた。試験2:体外受精後(Day0)の発生培地へ,10μMリファンピン(R区),10μMフォルスコリン(F区),10μMリファンピン+10μMフォルスコリン(R+F区)を添加して7~8日間発生培養した。無添加で発生培養した胚を対照区として,胚盤胞のP
    糖タンパク質
    発現と胚発生率,緩慢凍結により保存した胚の融解48時間後生存率,透明帯脱出率を比較した。【結果】試験1:未成熟卵子から胚盤胞までの各発生ステージにおいて,P
    糖タンパク質
    の発現が認められたが,相対的なP
    糖タンパク質
    発現量は,発生が進むに従って有意に減少した。試験2:胚盤胞のP
    糖タンパク質
    発現量は,R区,R+F区が対照区に比べ有意に高かったが,胚発生率には有意な差は認められなかった。胚の凍結融解後の生存率は,F区,R区,R+F区が対照区より有意に高く,脱出率はR+F区が対照区と比べ有意に高かった。以上から,胚のP
    糖タンパク質
    発現は凍結融解後の胚の生存性に関与することが示唆され,胚のP
    糖タンパク質
    の発現を高めることで,凍結胚の生存性が改善する可能性が示唆された。本研究は,「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」により実施した。
  • Mamoru Mizuno
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2001年 13 巻 69 号 11-30
    発行日: 2001/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    糖タンパク質
    は細胞間の認識や撞着、免疫機能等、重要な生命現象に関与しており、更に
    糖タンパク質
    の糖鎖部位はタンパク質の溶解性の向上や、熱力学的、及び、酵素消化に対する安定性の向上等に寄与している(1)。このように
    糖タンパク質
    については近年多くの研究が行われ、その機能に付いては明らかにされつつある。従って
    糖タンパク質
    の研究、及びその機能解明のためには生合成中間体や最終生成物の
    糖タンパク質
    標品を用いた研究が重要であり、標品の合成、供給が必須である。本総説では糖ペプチド合成について、従来の化学合成法のほかに、最近の酵素-化学的合成法や天然物を合成原料に用いる方法などについても述べる。
  • 小麦穀粒の糖タンパク質について (第2報)
    光永 俊郎, 辻 由美子, 荒堀 圭子
    家政学雑誌
    1983年 34 巻 6 号 329-333
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    小麦胚芽の40% IPA可溶性画分から, ゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーにより, 低分子量
    糖タンパク質
    (GGP-1) を単離した.GGP-1は, ゲル濾過および電気泳動により単一物であった.また
    糖タンパク質
    であることを確認した.分子量は約12,000で, タンパク質38%, 糖62%よりなり, 糖の含有量の高い
    糖タンパク質
    であった.GGP-Iのポリペプチド部分を構成しているアミノ酸は, グリシンが最も多くついで, グルタミン酸, アスパラギン酸と酸性アミノ酸を多く含んでいた.
  • 精密化学合成で効率よくタンパク質を作り上げる
    朝比奈 雄也
    化学と生物
    2022年 60 巻 3 号 116-122
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    タンパク質の約半数は,糖鎖修飾を受けた

    糖タンパク質
    として存在する.この糖鎖は,さまざまな生命現象にかかわることが知られている.糖鎖構造を含めて純粋な
    糖タンパク質
    サンプルを得る方法として,われわれは化学合成法を選び,その研究を進めてきた.本解説では,
    糖タンパク質
    合成の方法論の開発過程で得られたワンポットペプチドセグメント縮合法について述べる.

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