(1) IMR-90細胞におけるt-PA生産は1%プロテオースペプトンの刺激によって強く誘導され,しかもプロテオースペプトンの製造ロット差も少なかった.
(2) プロテオースペプトンの刺激はIMR-90細胞によるt-PA
de novo合成を促進し,合成されたt-PAはすみやかに細胞外に分泌された.
(3) IMR-90細胞によるt-PA生産を考えたとき,高細胞密度培養では短時間(t-PA生産の対数期,すなわちネガティブフィードバックによる制御がかからない時点)での灌流方式が,効率的であると考えられる.一方低細胞密度培養ではネガティブフィードバックによる制御が弱い,すなわち,生産の制御が働くまでに時間を要し,しかもt-PAの最高到達値も高くなることから,本実験下(培養8日目)で比較すると,高細胞密度培養よりはるかに,生産性が高かった.
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