近年の宇宙輸送系においては,信頼性やコストを大幅に向上させるため,再使用型宇宙輸送系の研究が行われている.その電子/電気装備系は,飛行状況による環境の変化,ペイロードや長期保守のためのシステム構造の変化,及び信頼性等の異なる要求レベルの機能を実現する必要があり,高度なアシュアランス性が要求される.これらの可変かつ多様な異種の要求に対しては,宇宙輸送系において研究されてきた従来技術のみでは対応が難しく,新しいアシュアランス技術を必要とする.筆者らは,再使用型宇宙輸送系への適用を目指し,自律分散システム・アーキテクチャを基本とする新しいアシュアランス技術の研究を実施している.本解説では,再使用型宇宙輸送系への異種の要求の概要を示すと共に,適用したアシュアランス技術の概要を示す.さらに,アシュアランス技術の適用確認のために実施した確認試験の概要についても示し,アシュアランス技術の再使用型宇宙輸送系への研究状況を紹介する.
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