近年, ダム建設に伴って創出される巨大な水辺空間が, 観光資源として期待されてきている。しかしながら, ダム周辺環境整備の際に行われる意識調査は, 主に地域住民に関する意識調査であった。ダム周辺地区を観光の視点から整備する場合には, 地域住民に加えて観光客やレクリエーションを目的に訪れる人々等, 多元的な評価主体に関する意識調査を行うことが望まれる。
本研究は, ダム周辺環境整備に伴う意識調査の評価主体として多元的評価主体, つまりダム周辺地区住民である定住者, 観光・レクリエーション目的で訪れる人々である来訪者・転出者の3評価主体を設定し, これらに対して意識調査を施し, ダム周辺環境整備に関する各評価主体の意識の差異を定量的に明らかにしようとしたものである。
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