本稿では建築プロジェクトにおける設計変更の傾向と
設計図
書に与える影響を明らかにすることを目的に, 設計施工一貫方式による建築プロジェクトを取り上げ, そのプロジェクトで使用された「
設計図
書」と「設計変更記録書リスト」及び「討議記録」を分析し, 以下の結果を得た.設計変更の内容の多くはその建物全体の配置に係る変更ではなく, 部分的な室の配置変更やその仕上げ材料, 窓出入り口, 設備などである.また実施
設計図
書の時点で記載された内容で設計変更になった事項のほとんどは設計段階で討議されていない.設計変更になった事項の約7件に1件が, その内容に関して設計段階で討議されず,
設計図
書でも提示されていない.また
設計図
書のなかで「平面詳細図」や「平面図」など平面系図面が最も設計変更の影響を受けやすく, 次いで「設備図」, 「展開図」の順であり, その内容は「平面詳細図」や「平面図」「展開図」では各室の配置や出入り口など, 「設備図」では電気設備などである.
抄録全体を表示