物質原子間の結合エネルギーより少し大きな
運動エネルギー
を持つ極低エネルギーイオンが固体表面原子と結合する過程は,正イオンでは電離エネルギーの効果と
運動エネルギー
の効果が混在しながら生じ,負イオンでは
運動エネルギー
の効果が顕著に現れる.
運動エネルギー
が関わる原子間結合過程は,熱化学平衡反応とは異なる結合過程,すなわち,“運動力結合”によるものと考えられ,それによって従来のものとは異なる物性,言い替えれば原子間結合状態を持った物質を創製できる可能性がある.また,この
運動エネルギー
の効果を明らかにするための最適な粒子である負イオンを扱う技術が,近年非常に発展してきている.
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