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クエリ検索: "青森市立沖館中学校"
5件中 1-5の結果を表示しています
  • 鎌田 純平
    美術教育学:美術科教育学会誌
    2023年 44 巻 125-136
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,中学3 年生を対象とした,アクリルガッシュを使用した自画像制作における,事前の技法練習の効果について検証するものである。そこでは,技法練習が生徒の作品に対する充足感を向上させるうえで有効に作用すると仮説をたてた。 実践後の質問紙調査の結果から,約7 割の生徒は自画像制作を通して充足感を得ていたことがわかった。更に生徒の感想から,技法練習による生徒の技能向上を基盤として,絵画制作に対する抵抗感を抑制する効果及び創造的な技能を発展的に活用させる効果の2 点が,充足感を高める要因として抽出された。技法練習が絵に対する苦手意識を克服させるとともに,着彩方法の可能性を広げ,一層の創意工夫を促していた。そのことにより,生徒らは創出した主題を技能と調和させ,より充足できる作品として実体化させていたのである。
  • -工芸分野の題材を実践例として-
    鎌田 純平
    美術教育学:美術科教育学会誌
    2021年 42 巻 147-163
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿は中学生に,言葉がどのような造形へ置き換えられるのかという関係性を理解させた後に,キーワード(漠然とした主題)を生み出させる指導法が,生徒の作品に対する充足感を向上させるうえで効果的かどうか明らかにすることを目的とする。2017年度に取り組んだ,自分のマークを金属にするという題材と同様の題材において改めて実践を行い,その教育的効果を確認しようとした。生徒のワークシートを分析した結果,言葉がもたらす造形イメージの指導によって,キーワードと造形化のイメージが結びつきやすくなり,生徒の発想・構想は円滑に促されていたことが明らかとなった。また,そのプロセスにおいてマークの原型を早期に考えつき,それを洗練させることに注力するタイプの生徒の割合が,前回と比べて著しく向上していたことがわかった。
  • ―モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」と「木」の連作を教材例として―
    鎌田 純平
    美術教育学研究
    2021年 53 巻 1 号 81-88
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/31
    ジャーナル フリー

    本稿は,中学校美術科における抽象絵画鑑賞に発見学習を取り入れる鑑賞教育方法の可能性を検証するものである。そこでは,ある作家が抽象絵画を制作するに至るまでの,作品の変遷を生徒に辿らせることで,作家の意図の発見を促すことができるのではないかと考えた。具体的には,モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」を鑑賞作品の中心に据え,「木」の連作の鑑賞を通して彼の意図の発見へとつなげようとする授業を構築した。約140名の中学3年生を対象に教師と生徒の対話を中心とする授業を展開した結果,抽象絵画の鑑賞に発見学習を取り入れることの教育的有効性が確認された。大半の生徒は「木」の連作の鑑賞によって,作家の意図について予想を成立あるいは深化させていたことが明らかとなった。また,作品や作家のみならず,抽象絵画に対する見方や考え方も深めていたことが示された。

  • 鎌田 純平
    美術教育学:美術科教育学会誌
    2020年 41 巻 97-110
    発行日: 2020年
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,美術教育における中学生の表現主題の創出並びに変容の一実態と考えられる要因について,考察することを目的としている。工芸分野の題材で実践を行い,発想・構想過程の最初の段階にキーワードで漠然とした主題を言語化させ,それを基として主題確定化へと至らそうとした。最初のキーワードが確定した主題までそのまま残るのかどうかを,アンケート調査及び生徒のワークシートから検証した結果,キーワードの変化する生徒が約7割であるとわかった。また,キーワードの変化する割合が大きいほど,作品に対する充足感は低下しがちであることが明らかとなった。その要因として,言葉と造形化のイメージに乖離がある生徒ほど主題が大きく変わりやすく,その結果造形的なイメージを深めることに注力できなくなる傾向があることを示した。
  • ピカソ「泣く女」とセザンヌ「果物籠のある静物」を教材例として
    鎌田 純平
    美術教育学研究
    2020年 52 巻 1 号 129-136
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー

    本稿は,表現形式の実感的な理解から鑑賞作品のより深い解釈へつなげようとする,教育方法の有効性について探ることを目的としている。そこでは,新たな表現形式を確立しようとする作家が,過去に存在した作品・作家からどのように影響を受けたのかについて,子供自身の考察から把握させようとした。具体的には,ピカソ「泣く女」を主たる鑑賞作品,セザンヌ「果物籠のある静物」を比較作品としてキュビスムの手法の理解を主軸に据え,約140名の中学3年生を対象に教師と生徒の対話を中心とする授業を展開し,教育的可能性を実証した。そこではピカソの表現方法に対する疑問を喚起させ,そこからセザンヌの作品について不自然に感じる箇所を探すという観点に絞った授業を構築することで,生徒はキュビスムの表現形式の特徴について自ら理解を示し,更にピカソの作品のよさを深く感じ取ることができた。

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