Born近似,一般化振動子強度,誘電関数をキーパラメータとして,電子の
非弾性散乱
断面積について解説する.ボルン近似により,原子における電子の
非弾性散乱
断面積は振動子強度分布を用いて表すことができる.一方,誘電応答理論では,固体試料の
非弾性散乱
断面積を極小角散乱領域(すなわち,双極子近似が成り立つ範囲)において,エネルギー損失関数を用いて表すことができる.この2つの式を比較することにより,双極子近似が成り立つ範囲内では,振動子強度分布はエネルギー損失関数で表すことが可能となる.これにより,エネルギー損失関数を用いて,固体中の
非弾性散乱
断面積を実際的に簡便に計算することが可能になる.さらに,この関係から全
非弾性散乱
の双極子行列要素平方と動的散乱因子を計算することができる.
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