この報告は, 米国のサンデアゴ動物園飼育の赤色野鶏 (RJF) と, 当学飼育の白色レグホン (WL) を基礎鶏として, それらの間に相反交雑を行ない, 各種性能について4カ年の成績をまとめたものである。
雌雄 (同羽数) を混みにしたふ化時平均体重は, WL (♂♂)×WL (♀♀): 43.7g, RJF (♂♂)×WL (♀♀): 42.8g, WL (♂♂)×RJF (♀♀): 25.9g, RJF (♂♂)×RJF (♀♀): 23.2gであった。10週齢体重は, それぞれ950.5, 711.8, 666.7, および389.4gであった (表1および図1参照)。
生存鶏1カ年の産卵数は, RJF (♂♂)×RJF (♀♀): 28, WL (♂♂)×WL (♀♀): 255, WL (♂♂)×RJF (♀♀): 184, RJF (♂♂)×WL (♀♀): 148個で, 正逆交雑間に有意差が認められた(表2)。3月と8月に測定した平均卵重は, WL54.7g, RJF34.8gであった (表3)。
赤色野鶏は, 全羽数の87%が就巣した。そして, WL (♂♂)×RJF (♀♀) のF1は11.1%の就巣率であったのに対し, RJF (♂♂)×WL (♀♀) のそれは63.0%の就巣率を示し, 後者が有意に高かった (表2)。
初産日齢について, WL (♂♂)×WL (♀♀) 158.9, RJF (♂♂)×RJF (♀♀) 298.3, WL (♂♂)×RJF (♀♀) 163.4, RJF (♂♂)×WL (♀♀) 182.2日で, 正逆交雑間に有意差が認められた (表3)。
初産体重は, WL (♂♂)×WL (♀♀) 1,763, WL (♂♂)×RJF (♀♀) 1,348, RJF (♂♂)×WL (♀♀) 1,260, RJF (♂♂)×RJF (♀♀) 887gであった (表3)。
以上の成績から, 著者 (佐伯) が他の鶏種で報告したと同様に, 産卵, 初産日齢および就巣性の3形質に対しては, 伴性遺伝が関与するものと思われる。
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