3次元積層LSIにおいては, Siチップを貫通する20μmピッチのCu貫通電極間を, 微細バンプにより高精度にフリップチップ接合する技術が適用される。一般に超音波接合技術は低温低荷重接合に適した接合プロセスとして知られている。本報では微細電解めっきAuバンプを用い, チップオンチップ (COC) 構造における20μmピッチ低温接合について基礎検証を行った。まずスパッタAu皮膜上の基本的な接合性を評価し, 超音波の印加とAu表面の清浄化が接合性に大きく影響することがわかった。次に無電解Ni/Au皮膜上の接合性を評価し, プルテストによる接合強度の評価結果から接合強度が得られることを確認した。さらに20μmピッチで形成した微細電解めっきAuバンプと無電解Ni/Auバンプを用い, 接合断面の解析により, 超音波フリップチップによる微細接合の可能性を見出した。上記の基礎評価から得られた結果は, 高密度, 高機能な3次元実装の実現に向け適用していく。今後の課題は最適な接合プロセスの選定と微細超音波接合における信頼性の確立である。
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