2008 年 34 巻 3 号 p. 145-149
各種果汁製品を用い190g容缶入り果実飲料を調製し, GABA濃度を分析した。その結果, 柑橘系果実飲料中のGABA濃度はほかの果実飲料に比べ高く, オレンジで17-40mg/100g, リオレッド・グレープフルーツで33mg/100gであった。次いで, 800g容PETボトル入りリオレッド・グレープフルーツ果実飲料を調製し, 加熱殺菌処理 (80-115℃), 恒温暗所保存処理 (20-55℃), 蛍光灯照射処理 (設定照度20,000ルクス) を施した。果実飲料中にはアミノ酸, 還元糖, 有機酸が共存したが, いずれの処理においてもGABA濃度の減少は認められなかった。以上の結果, GABA濃度を保証した常温流通可能な柑橘系果実飲料の可能性が示唆された。