日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
渋柿の天日乾燥による可溶性タンニンと遊離糖の経時的変化
石井 靖子山西 貞
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1982 年 29 巻 12 号 p. 720-723

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抄録

渋柿から干柿をつくる際の経時的変化を蜂屋柿と百目柿を用い,可溶性タンニン及び遊離糖について検討した。可溶性タンニンはLowenthal-Proctor法により,遊離糖はベルトラン法及びGCを用いて分析した。
(1) 可溶性タンニンは皮をむき,乾燥を開始した後,7日で消失した。
(2) 脱渋される期間にグルコースとフルクトースは一時減少し又増加した。一方スクロースは逆に一時増加して減少した。そして乾燥開始後10日前後で明らかになくなった。
(3) 全乾燥過程を通してGC分析によるグルコース,フルクトース及びスクロースの合計は,乾物中60%前後で大差はなかった。
(4) 干柿白粉はフルクトースとグルコースのみで,その割合はフルクトース:グルコース=1:3.5~4.3であった。

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