韓国の水稲うるち玄米の脂肪酸組成を,日本型および日印交雑型品種について検討した.
(1) 両型品種の間に脂肪酸組成の違いがみられ,日印交雑型品種は日本型品種に比べ,ミリスチン酸,パルミチン酸,パルミトレイン酸,ステアリン酸,オレイン酸およびアラキジン酸含量が高く,リノール酸およびエイコセン酸含量が低いことが認められた.
(2) 脂肪酸含量相互間の関係において,両型品種ともオレイン酸とリノール酸の間にもっとも高い負相関を示平・他:韓国米の脂肪酸組成し,その散布図において日本型品種と日印交雑型品種に分けることができた.
(3) これらのことより,韓国の日印交雑型うるち品種玄米の脂肪酸組成は,インド型の遺伝形質の影響をうけているものと推定した.