日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
温州ミカンの貯蔵中における異臭発生とイオウ化合物との関係
郭 信子上田 悦範黒岡 浩山中 博之
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 37 巻 10 号 p. 799-804

詳細
抄録

温州ミカン果実を1℃, 8℃, 20℃に貯蔵し,貯蔵に伴う異臭生成に関係の深い物質であるジメチルサルファイド(DMS)術挙動を調べた. DMSはミカン果実貯蔵に伴って空隙中に蓄積したが,貯蔵温度が高いほど高濃度であった. DMSの前駆物質であるメチオニン-S-メチルスルフォニウム(MMS)の果汁中の含量も貯蔵温度が高いほど多かった. 21種類のカンキツについて調べた結果, MMS含量及び果実空隙中術DMS濃度は温州ミカンが特に大きい値を示した.温州ミカン果汁を加熱した場合のDMSの生成量について調べたところ,貯蔵温度が高い果実の果汁で多かった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top