発話文から感情を推定する手法として情緒計算手法 (EGC) と心的状態遷移ネットワーク (MSTN) による感情指向型インターフェイスが開発されている.感情指向型インターフェイスで推定される感情は情緒と気分の2種類に分けられ,EGCでは情緒,MSTNでは気分を推定することが可能である.市村らは感情指向型インターフェイスをスマートフォンアプリとして開発しており,我々はこれを用いて,感情指向型インターフェイスによる観光情報リコメンデーションシステムを開発し,広島県の観光に適用した.観光情報リコメンデーションシステムでは,観光情報を推薦する際の優先度を,
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における検索結果数,観光Webサイトにおける単語の重要度,EGCによって推定される情緒値に基づいた評価式により決定している.しかしながら,あまり観光情報が発信されていない地域もあり,
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,観光Webサイトにおける重要度が今までの評価式では求められない.このような場合,新たな観光地を発見するのに有効である「ひろしま観光マップ」と呼ばれるユーザ参加型主観的情報分析システムがある.このアプリケーションを通じて収集された情報をもとに,観光情報リコメンデーションシステムの評価式を構築した.広島県江田島市に適用した結果をここに報告する.
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