日本栄養・食糧学会誌
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コンビニエンスストアでの購入食品数と栄養素・食品群摂取量の関連
大学等栄養関連学科女子新入生における検討
佐々木 敏辻 とみ子片桐 あかね下田 妙子the Diets of the Fresh Students in Dietetic
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2000 年 53 巻 5 号 p. 215-226

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抄録

18歳の22栄養関連学科女子新入生1,813名を対象として, ほぼ入学直前の1カ月間におけるコンビニエンスストアでの購入食品数と栄養素・食品群摂取量の関連について検討した。購入食品数の調査には簡易質問票を, 栄養素・食品群摂取量の調査にはDHQを用いた。コンビニエンスストアでの購入食品数が多い群ほど総エネルギー摂取量が多く (r=0.25, p<0.001), カロテン摂取量が少ない傾向 (r=-0.07, p<0.01) を認めた。脂質の粗摂取量は総エネルギー摂取量とともに増加した (r=0.23, p<0.001) が, エネルギー調整値では有意な相関は認められなかった。総エネルギー摂取量を調整するとカロテン, タンパク質, カルシウム, 食物繊維, 鉄, カリウム, ビタミンC, コレステロール, n-3系多価不飽和脂肪酸摂取量で負の相関が認められた (r=-0.20--0.09, p<0.001)。総エネルギー摂取量を調整した食品群摂取量との関連においては菓子類と正の, 緑黄色野菜類と負の相関が顕著であった (それぞれr=0.16および-0.19, p<0.001)。地域ブロック, 都市の種類 (政令指定都市, その他の市, 町村の別), 居住形態 (自宅, ひとり住まい, その他の別) とコンビニエンスストアでの購入食品数の間にも有意な相関が認められた (p<0.05) が, これらの影響を考慮してもコンビニエンスストアでの購入食品数と栄養素・食品群摂取量との関連はほとんど変わらなかった。

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