抄録
本論は,色彩から感情効果を感じ取る活動(以下,色彩感情効果学習)と色彩を系統的に理 解する(以下,カラーシステム学習)を経験する順序が生徒の造形活動に与える影響を明らか にするものである。中学校第 1 学年 6 クラスを,3 クラスずつのグループに分け,色彩感情効 果学習とカラーシステム学習の経験順を変えて実施した後,共通の造形活動を行わせた。その 結果,色彩を知識として理解する学習より,色彩から感じ取る学習を先に経験すると,色彩に 変化を持たせて表現する傾向をより強めること。色彩を知識として理解する学習だけでは,主 題からイメージを広げて多様な描き方をしようとする姿勢を涵養させにくい傾向が示されたこ と。色彩からの感じ取りと色彩の知識の双方の学習によって,より多様な方法を用いて,より 豊かにイメージする力を醸成する傾向が強まることが分かった。