抄録
美術経験が少ない人にとって抽象画は理解が難しい。瞑想後のアクションペインティング(AP)は創作意図を明確化し,作品鑑賞時の感情反応を高めることが示されているが,他の表現手法での効果は未検討である。本研究ではこの点を検討するため,美術館の現代アート展と連携して実験を実施した。有効回答55件を2要因に分散分析した結果,瞑想後のAPおよびドローイング体験はいずれも「現代アートへの印象」「自己の創作評価」「自己評価」にポジティブな影響を与えた。しかし,APの影響がドローイングよりも強いという仮説は支持されなかった。以上の結果から,瞑想を伴う描画体験は創作意図を喚起し,美術鑑賞への興味を高める効果が確認された。