日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[2Gp] 穀物
短鎖アミロペクチン米を利用した求肥の低温における物性の特性評価
*長谷川 摂吹上 瑞季山田 圭井原 絵梨子
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キーワード: , 物性, アミロペクチン
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p. 97-

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抄録

【目的】短鎖アミロペクチン米の糯品種「やわ恋もち」はデンプン枝付け酵素1の活性を欠いており,おこわや餅などに加工した際に時間が経過しても硬化しにくい性質を有している.一般に,糯米を利用した和菓子は低温で硬化しやすいことから,冷やして食べる用途には不向きであるが,短鎖アミロペクチン米は低温においても硬化しにくいことが期待される.本研究では,短鎖アミロペクチン米の低温における物性の特性を評価し,冷やしてもやわらかい和菓子への利用の可能性を検討した.

【方法】やわ恋もちを含む8品種の糯米から製粉した餅粉を原料とした求肥を調製し,5℃で保存した.一定期間経過後に品温を5℃または20℃としたときの物性を,レオメータを用いてテクスチャー解析と破断強度解析の2通りの条件で測定した.また,餅粉はラピッドビスコアナライザにより加水して加熱撹拌した際の粘度特性を評価した.

【結果】餅粉の糊化開始温度は,やわ恋もちが最も低かった.糊化開始温度が高い品種ほど,保存に伴い硬くなる傾向が見られた.8品種のうち6品種については1日後と比べて7日後には弾力の低下が認められるとともに,歪率35%における荷重の増加量が顕著に大きくなったが,やわ恋もちは7日後においても1日後とほとんど変わらない弾力を維持し,荷重の増加量もほとんど変化がなかった.どの品種も20℃よりも5℃の方が硬かったが,温度による硬さの差は同じ傾向を示しており,物性の違いは保存期間が長くなるにつれ,温度の影響よりも品種の違いの方が顕著であった.やわ恋もちは7日後でも他の品種の4日後よりも柔らかく,他の品種と比べて5℃,20℃のいずれの温度であっても望ましい物性を維持できていることが確認できた.

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