日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Ep08
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[2Ep01-10] 生理活性物質、食品分析
鶏の唐揚げの咀嚼中における食塊特性変化と食感および嗜好性との関係
*野々部 領子貝谷 幹太重本 真愛今泉 鉄平西津 貴久
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キーワード: 咀嚼, 食塊, 食感, 物性変化, 唐揚げ
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抄録

【目的】

食品のテクスチャー研究では、一般的に機器分析と官能評価の二つの方法が用いられる。機器分析は食品試料を対象とする一方、官能評価は喫食時のヒトの感覚的反応を対象とするため、両者の傾向は必ずしも一致しない。その要因の一つとして、咀嚼中に口腔内で受ける刺激が変化することが挙げられ、官能評価では刺激の時間的変化も評価対象としている可能性がある。そこで本研究では、機器分析においても咀嚼中の食塊物性の変化を測定することで、官能評価結果と一致する傾向が得られると考え、嗜好性の異なる複数の唐揚げを用いて、食塊物性の経時的変化と官能評価との関係を検討した。さらに、従来評価が困難であった肉の「弾力」「繊維感」の推定も試みた。

【方法】

嗜好性の異なる唐揚げを選定し、「弾力がある」「柔らかい」「繊維状」「まとまる」の4項目についてTDS法で評価した。また、咀嚼回数別にサンプリングした食塊に対してTPA測定および粒度分布測定を行い、TDSの結果と比較した。さらに、粒度分布の結果を基に、人工咀嚼装置を用いて食塊を調製し、咀嚼の進行段階(初期・中期・後期)ごとの食塊についてTPA測定を実施した。得られた結果を踏まえ、各段階における肉の「弾力」「繊維感」の官能評価値と比較・解析を行った。

【結果】

TDSの結果から、嗜好性の高い唐揚げは咀嚼初期~中期にかけて「弾力がある」を、中期~後期にかけて「繊維状」という特性用語を支配的に感じることが明らかとなった。また、官能評価結果から嗜好性の高い試料ほど弾力や繊維感のスコアが高いことが示された。さらに、人工食塊を用いたTPA測定の硬さおよび咀嚼性の値を基に、官能評価における弾力、繊維感の推定が可能であることが示唆された。以上より、唐揚げの嗜好には弾力および繊維感が重要であり、これらの官能評価値の推定には、咀嚼中に変化する食塊に着目することが有用であると考えられた。

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