主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】サトウキビから砂糖を製造する過程で生じる搾りかす(バガス)は、一部飼料や紙製品として活用されているが、食物繊維や鉄分が豊富であるにもかかわらず食品としてはほとんど活用されず廃棄されている。そこで本実験では、サトウキビバガスの乾燥粉末を小麦粉の代替として用いたマフィンとクッキーを試作し、味覚分析や官能評価ならびに物性測定を行った。
【方法】マフィンとクッキーはいずれも薄力粉100 %を用いて作成したものを対照とし、薄力粉の一部(マフィンは43 %、クッキーは50 %)をバガスに置き換えた。また、全粒粉100 %を用いたものを作成した。味認識装置を用いて、味覚センサーにより先味(酸味、苦味刺激、渋味刺激、甘味)および後味(苦味、渋味)を測定した。官能評価は見た目や味、食感について、マフィンには9項目、クッキーには13項目の質問を設け、−3~+3の段階法で評価した。物性測定はフォーステスターを用いた圧縮試験を実施し、マフィンには受圧板、クッキーには山形圧子を押し当て、潰れるまたは割れるまでの荷重を測定した。
【結果】マフィンとクッキーのいずれも、味認識装置による分析の結果、薄力粉に対してバガス添加により特に苦味雑味と渋味刺激が有意に増加し、全粒粉では甘味が有意に減少した。官能評価アンケートの結果も同様であった。食感について、薄力粉に対してバガス添加により飲み込みやすさとしっとり感が有意に低下し、口の渇きと口に残る感じが有意に増加した。全粒粉のこれらの項目は薄力粉とバガスの間の値を示した。物性測定において、圧縮に必要な荷重は食感の評価と一致していた。以上のように、サトウキビバガスの乾燥粉末は小麦粉の代替として利用可能だが、苦味、渋味、食感、物性の改善を要することが示された。