日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Bp01
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[3Bp01-09] 加工,製造技術
ペクチナーゼ処理および炭酸Ca添加がブドウ果汁の水溶性物質に与える影響の評価
*戸田 綾香, 小倉 立己
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抄録

【目的】果汁飲料においては,保存中に澱(おり)などの沈殿物が発生し,外観や食味を損なう原因となっている.そのため,品質安定化や搾汁率の向上のためにペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)等を添加する方法,果汁に無機塩資材を添加し不純物の沈殿を早める方法が用いられる.しかしながら,これらの不純物除去方法による果汁品質や呈味性成分への影響を詳細に調査・評価した例は少ない.本研究では,ブドウ果汁製造時におけるペクチナーゼ処理及び炭酸Ca添加の有無が果汁中の水溶性物質に与える影響を明らかにすることを目的とした.

【方法】山形県産ブドウ‘デラウェア’及び山ぶどうを原料とした.品種ごとに,除梗・洗浄した原料を加熱後,圧搾し果汁を得た.得られた果汁を,無処理区,ペクチナーゼ処理区(P区),炭酸Ca添加区(Ca区),ペクチナーゼ処理+炭酸Ca添加区(P+Ca区)に分けて各工程にて処理した.各処理果汁は4℃で4週間保存し,1,2,3,7,14,21,28日後にサンプリングした試料から水溶性物質を抽出し,LC-MS/MS及びCE-MSを用いたメタボローム解析にて果汁成分を評価した.あわせて食味官能評価を行い,呈味性への影響を評価した.

【結果】果汁中の水溶性物質に関してクラスター解析した結果,ペクチナーゼ処理の有無で分けられ,また主成分分析においても群分けされたことから,ペクチナーゼ処理による影響が最も大きいことが示された.‘デラウェア’においては,ペクチナーゼ処理後はグルクロン酸が増加しており有機酸組成のうち15%程度を占めていた.山ぶどうにおいては,グルクロン酸の増加はみられず,アミノ酸類が増加していた.食味官能では評価がばらつき,ペクチナーゼ処理による呈味性への影響は判然としなかった.炭酸Ca添加においては,呈味性への影響がみられ甘味が強く酸味が弱い傾向であった.

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