日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Bp09
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[3Bp01-09] 加工,製造技術
ココアバター置換脂(CBS)の結晶化挙動に与える組成の影響
*佐藤 真帆, 小泉 晴比古, 路川 聡一, 大塚 沙耶, 上野 聡
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抄録

【目的】チョコレートに含まれる油脂であるココアバターは原料のカカオ豆の生産が不安定なため,市場への供給不足,高価格化が問題となっている。このため,安価で生産が安定な植物性油脂から作られるココアバター置換脂(CBS)の利用が進められている。しかしCBSにおいてもβ’型からβ型への多形転移によるファットブルームが問題となっている。これまでの研究において,結晶内に蓄積された歪みがファットブルームの原因になっていること1),粘度の違いによって歪みが制御できることが明らかとなった。従って,本研究では,別の要素でも歪みを抑制する可能性もあると考え,CBSの組成に着目し,CBSの主要なトリアシルグリセロール(TAG)の一種であるトリラウリン(LLL)を添加した。これにより,組成を変えたCBSのX線回折測定,示差走査熱量測定(DSC)を行う事で組成の違いにおけるCBSの結晶化挙動を比較することを目的とした。【方法】CBSは東京フードから提供されたもの,LLLはSIGMA-ALDRICH社のものを使用した。55℃で融解したCBSとLLLの混合物を15℃/分で冷却し,28℃で3日間結晶化させた。その後,高エネルギー加速器研究機構の放射光研究施設でX線回折測定を行い,得られた回折ピークから半値幅を算出し,歪みを定量化した。【結果と考察】CBSのみで結晶化させたものよりも,LLLを添加したサンプルの方が結晶内に蓄積された歪みは小さくなった。これは主要なTAGであるLLLの割合が増えることで、その他のTAGの割合が小さくなり,TAGが規則正しく配列しやすくなり,格子欠陥が生じにくくなったためだと考えられる。また,LLLを添加したが,添加したLLL単体で結晶化,多形転移は見られなかった。また,DSC測定においてもLLLを添加したことによる融点の変化は大きくなかった。

【参考文献】

1) Koizumi, H.; Kimura, K.; Takagi, M.; Michikawa, S.; Hirai, Y.; Sato, K.; Ueno,S. Effect of Accumulated Strain on Fat Bloom in CBS-Based Compound Chocolates, CrystEngComm, 25, 4562-4567 (2023).

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