主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】抗生物質は農業分野でも植物病害抑制の目的で使用されているが、これが土壌中の薬剤耐性菌ならびに耐性遺伝子に与える影響は十分に明らかにされていない。本研究では、抗菌剤散布後のレタス栽培土壌における耐性菌の出現状況ならびに耐性遺伝子を解析することを目的とした。【方法】慣行栽培および無農薬栽培土壌を用い、春レタスを想定した明期25℃または秋レタスを想定した明期30℃の条件でレタス栽培を行い、抗菌剤(7.5 µg/mlオキシテトラサイクリン(OTC)、94 µg/mlストレプトマイシン(SM))を収穫前1ヶ月、2週間の2回散布した。収穫時の土壌から、OTCまたはSM耐性菌を分離し、96株について16S rRNA部分配列から菌種同定を行った。次に、これらについてNCBIデータベース等に基づき耐性遺伝子(tetA、strA、strB、smrA、aac(6')-Ib、APH(3')-IIa、mefNDなど)に対するプライマーを設計し、PCRにより保有遺伝子の検出を行った。【結果】それぞれの栽培条件において、抗菌剤散布によりStenotrophomonas、Dyella、Sphingopyxis、Lysinibacillus、Paenibacillus属などの割合が増加し、また、散布に関係なくPhyllobacterium属が優占種として分離された。このうち、グラム陰性菌に着目して耐性遺伝子のPCR解析を行った結果、Stenotrophomonas属からはsmrA、aac(6')-Ib、strAB、APH(3')-IIaなどが検出された。さらに、Dyella、Sphingopyxis属からもmefND、APH(6')などが検出された。Phyllobacterium属からはtetA、strB、smrA、などが検出された。今後、プラスミドの存在など伝播リスクについて解析を行う予定である。