主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】食後に140 mg/dl以上の血糖値上昇とそれに続く急速な下降が見られ, 最大血糖変化量が60 mg/dl以上になる血糖値スパイクは血管の損傷を招く可能性がある. 血糖値スパイクは通常食後2時間以内に起こるため, その間の血糖値を制御することが健康に重要である. 本研究では炭水化物とタンパク質の摂取順序および同時摂取が血糖値変動に与える影響を明らかにするため, 寿司を試験食, 大学生を研究対象者とした実験を行った.【方法】本研究は京都大学医の倫理委員会の承認を受け実施した. 対象者:18-25歳の健常者30名. 食事条件:寿司(S, 糖質 40.9g), 寿司種→すし飯(TR, 40.9g), すし飯→寿司種(RT, 40.9g), すし飯(R, 37.0g). 測定:日本GI研究会の統一プロトコルに準拠している. 空腹時血糖の測定後, 試験食を食し, 食べ始めの15分後から5分間隔で血糖値を測定した. 血糖値はFreeStyle Libre(Abbott社)を用い, 対象者が自己測定した. 満腹感, 眠気は1-9の9段階で対象者が自己評価した. 結果はEZRを用いてone-way ANOVAおよびTukey HSDで解析した.【結果・考察】血糖値:血糖値の経時的変化: R・RTで見られた140mg/dlを超える血糖値の上昇がTR・Sでは見られなかった. 同時刻のS, TR, RTの血糖値を比較すると, 食後30分ではTR<S, TR<RTだった(p<0.05)が, 食後45分ではS<RT, TR<RTであった(p<0.05). 血糖上昇曲線下面積(AUC):SではR・RTに比べて有意に小さかった(p<0.05).主観評価:満腹感: Rでは他の3条件に比べて食後1時間の満腹感が有意に低かった(p<0.05). 眠気: 食事条件間で食前・食後の眠気に差はなかった. 以上より, タンパク質と炭水化物の同時摂取が血糖値スパイク抑制に効果を持つと示唆された.