抄録
エポキシプライマー層を下地処理としたポリエチレン被覆鋼管について,被覆層側から鋼管側へ温度勾配が存在する湿潤環境での接着劣化挙動を調査した。被覆層側が高温で鋼材側が低温度の時は,水のポリエチレン被覆層中の拡散が促進され,接着劣化が早くなった。被覆層の接着強度(90度剥離強度)が20Ncm-1になる時間の温度依存性から,温度差0,6,10,15°Cのいずれの時もほぼ同じ温度依存性を持ち,温度依存性の傾きから得られた活性化エネルギーはいずれも水のポリエチレン膜中の拡散のそれと一致した。温度差DTと20Ncm-1になる時間の関係を求めた。これは,水の拡散により説明することができる。