日本接着学会誌
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技術論文
Glass/レジスト/Cu/Al/Glass多層構造の破壊特性解析
原 朋敬小泉 延恵河合 晃
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2001 年 37 巻 8 号 p. 303-308

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抄録
多層構造内のレジスト膜を熱処理すると,レジスト膜中に含まれる溶剤の蒸発によって粘性指状(VF: Viscous Fingering)の微小空隙が多数形成される。本研究では,空隙形成に伴うレジスト膜の応力緩和と応力集中に注目して,Glass/レジスト/Cu/Al/Glass多層構造の破壊特性解析を行った。実験では,レジスト膜によって張り合わされたGlass基板とCu/Al/Glass多層基板間の破壊強度を,引張り試験機を用いて測定した。その結果,レジスト膜中の空隙面積の増加に伴いレジスト膜の破壊強度が高くなることと,空隙周辺ではAl/Glass界面での剥離が生じることを見出した。有限要素法による応力分布解析により,これらの現象の原因が,空隙形成に伴うレジスト膜の内部応力緩和と,空隙周辺部での応力集中であることを見出した。
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© 2001 一般社団法人 日本接着学会
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