2003 年 39 巻 5 号 p. 183-189
ウレタンアクリレート系uv硬化性樹脂の厚膜について,硬化率のデプスプロファイルに及ぼすuv光照射条件の影響を光DSC法を用いて追究した。uv光の照射強度と照射時間を変えて得られた硬化物について光DSC法で硬化率デプスプロファイル(80.90および95%硬化の硬化深度)を求め,i)一定照射光強度における硬化率デプスプロファイルの経時変化.ii)一定照射時間において硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響,およびiii)一定照射光エネルギー量下での硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響を調べた。その結果,一定照射光強度における本樹脂の硬化率デプスプロファイルの経時特性を明らかにすることができた。さらに照射光強度の影響につ↓ては,おおよそ140mW/cm-までは照射光強度の増加と共に硬化深度が増加し,それ以降は逆に減少した。この樹脂膜について,最高の硬化深度を得るためには最適な照射光強度が存在することが確認できた。