2021 年 57 巻 4 号 p. 139-144
ガラス繊維を含有するレゾール硬化型フェノール樹脂とアルミ箔からなる複合材に関して,熱硬化プロ
セスおよび冷熱サイクルにおける樹脂/ アルミ界面の残留応力変化のその場観察を行った。残留応力はX
線回折法の sin2 Ψ法により Al( 422) 面の回折プロファイルを測定し,アルミに作用する力として解析した。
熱硬化プロセスにおいて,昇温および降温過程の応力変化は樹脂とアルミのCTE 差に起因する両者の熱膨
張・収縮量差で明確に説明ができ,また,熱硬化反応に伴う樹脂の硬化収縮挙動を圧縮応力の増加として
捉えることに成功した。更に,硬化後の冷熱サイクルの解析より,評価した複合材の界面は160℃で応力
フリー状態となることが明らかとなった。硬化プロセスの連続的な応力変化の把握により,複合材中の応
力は硬化前の界面状態の影響を大きく受けていると推定され,応力フリー温度を複合材成形プロセスによっ
て制御できる可能性が示された。