日本建築学会論文報告集
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電算機-アクチュエータオンラインシステムによる鉄筋コンクリート骨組の地震応答実験 : その 3 オンライン応答実験-2
関 松太郎岡田 恒男
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1979 年 280 巻 p. 79-89

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抄録
本報ではオンライン応答実験-2ならびに, その計算機シミュレーションを行ない以下の所見を得た。1)加力形式が両端固定形のために載荷装置の作動状態が懸念されたが, 固定条件, 荷重配分などに関し, 十分実験目的にかなった加力方式である事が確認された。2)アクチュエータ制御用のディジタルフィードバックの方法には, 定変位出力方式を用いたが, 実験-1に用いた等分割変位出力方式とくらべて実験をスムーズに遂行できる方式である事が確認された。3)せん断スパン比a/Dが, 実験-1(a/D=4.0)に比べてa/D≒3.0の実験であるが, 繰返し加力実験およびオンライン応答実験のどちらについても履歴ループの形状, 破壊性状などに特に顕著な差は見られなかった。4)軸応力度σ_0に関して, 30kg/(cm)^2(0.08F_c)およびその2倍の60kg/(cm)^2(0.17F_c)の2種類を用いたが, 軸応力度の大きい方が多少破壊程度が大きく, 履歴ループの塑性域での負勾配が大きいなどの相違が見られた。5)入力地震加速度の大きさに対して応答変位が敏感であった。特に, 本実験で用いた骨組の強度と入力地震の大きさの比率k_y/k_gが1.0前後においては, 入力地震加速度の20〜50%程度の増加に対し, 応答変位は約2〜3倍の増加を示した。6)これらのほか, 第2報のまとめと同様に, (i)オンラインシステムは, 鉄筋コンクリート造骨組の応答性状を知るうえで有効な手段である。(ii)計算プログラムOS-1Dによる計算値は, オンライン応答実験値を比較的よく説明できる。(iii)定振幅繰返し加力実験の方がオンライン応答実験より破壊の程度が大きい。などが確認された。
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© 1979 一般社団法人日本建築学会
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