抄録
鉄骨鉄筋コンクリート梁にダクト貫通孔を設けることが近時〓々行われて居る。此の貫通孔はその径が梁成に比して小なる場合はさして問題でないが、大きい場合には梁に対して致命的影響を与えることが推測される。したがつて其の場合には貫通孔の欠損に対して補強を加えるとか、剛性の低下、耐力の低下を見越して設計するかしなければならないであろう。又梁のスパンに対して、又梁成に対して欠損の影響の少ない位置があれば貫通孔をそこに設ける様に設計を変えることも出来得るであろう。従つて梁がある補強を受けた状態に於ける性状又孔の位置に依る影響等を調べることが先づ必要と考えられるので一連の実験を行った。計画された実験はI,IIシリーズに分けられた。Iシリーズは鉄骨ウエツブが帯板型式及ワーレントラス型式の梁を対象とし、孔周囲に鉄筋を補強した場合、その補強量に依つてきれつ発生荷重、剛性、耐力等が変るか又鉄骨ウエブを変えた時にはどうかを、断面42cm×22cm孔径16cmの小型試験体8本につき行つたものである。IIシリーズは孔の位置及孔の数の影響を調べるため、1ケ〜5ケの円孔を連続又は離して位置した場合を取上げて、Iシリーズと同一寸法梁8本につき行つたものである。共にダイヤルゲージ、電気抵抗線型歪計を使用し、きれつ発生状態、撓み、鉄骨ウエブの歪度を観測測定した。