抄録
本稿は,初級日本語授業における教師の質問の傾向について検証を行ったアクション・リサーチである。筆者は冬実習,春実習を通して,学習者の発話量が少ないということに気が付いた。発話量が少ないという問題について,春実習の授業録画のビデオを見ながら筆者の質問の種類や学習者とのインターアクションを分析したところ,筆者は学習者のレベルを考慮せずに質問や場面設定をしていたり,発言した学習者に対してのフォローアップが十分ではなかったりしたことが明らかとなった。本稿では,問題点を踏まえ,初級学習者の発話を引き出すための改善策を探る。