抄録
2000年に始まった三宅島の火山活動は, 爆発的な山頂噴火, 火山灰の放出, カルデラの形成, 火山ガスの放出を経てきた. この活動による地形変化の一つに, 泥流発生に関連する地形変化がある. 今回, 2000年三宅島噴火による泥流発生の実態解明を目ざした. その結果, 泥流の発生·規模·タイミングには泥流発生場の地形条件が大きく関わることが判明した. 火山体の北·東·南側に発達し, 山頂カルデラ壁ないしは火山体上部を源とする谷では, 海岸線近くの緩勾配区間に泥流堆積物が分布し, 各所で泥流被害が多発した. これに対して, 火山体西側では桑木平カルデラ内の緩傾斜部に泥流が堆積し, 同カルデラが泥流のバッファになっており, 海岸部では顕著な泥流被害が見られない.