抄録
西暦602年洛陽に誕生した玄奘三蔵の求法の旅は17年に及び、唐の長安に帰着後に著した『大唐西域記』などにより、我々はその行程を知ることが出来る。従来玄奘の研究に於いては、仏教学·歴史学·美術史学などからのアプローチは深くなされてきた。私はこれらの文献に付されているルート地図の若干の箇所に疑問を持ち、玄奘の旅の全ルートの解明を目指す地理学的な研究の必要を感じた。本研究では、玄奘の帰路の武威∼長安間に焦点を当てた。その研究方法として、CORONA衛星写真の判読による新しい試みにより解明した。その結果当該地域に於いて従来公表されているルートは不適切であるとの確信を得、まず書き換えられねばならないと思って居る。