抄録
北海道中央部の西ヌプカシヌプリ山頂部表面の岩塊斜面において斜面の縦断面方向に沿って比抵抗映像法を用いた電気探査を行った. その結果, 斜面末端部付近の谷底付近において, 厚さ約20mの高比抵抗層が見つかった. この高比抵抗層は, 抵抗値のコントラストなどから氷に富む永久凍土と解釈される. 谷底にはミズゴケ類のマット状植生がひろがり, 地下氷の分布とよい対応を示す. 然別火山群のさらに広い範囲のミズゴケマットの分布は, 地下水の流路となる斜面末端部や谷底に集中している. 然別火山群の岩塊斜面では融雪水の再結氷で地下氷が形成され, その地下氷がミズゴケ類や高山植物群落を維持していると考えられる.