抄録
本研究では、過去の気候変動を定量的に復元する試みの一つとして、初磁化率を用いて最終氷期以降の古降水量変動を定量的に復元して、後期更新世以降の中国におけるレス古土壌堆積物の形成に関連した環境変遷について検討した。まず、中国、ロシアおよびイギリスにおけるレス堆積物の初磁化率値と現在の年間降水量との関係を明らかにした結果、強い正相関があることを見い出した。この関係式を使って中国各地のレス古土壌堆積物の初磁化率変動曲線から古降水量変動を定量的に復元した。その結果、完新世や6万年から3万年前間では、比較的降水量が多かったことが明らかになった。