抄録
八幡平地域において、積雪グライドと積雪グライドによる侵食を観測して、地形との関係について検討した。斜面中の傾斜変換線付近で積雪グライドが抑制されることが明らかになった。しかし、傾斜変換線付近の積雪層が破断すると全層雪崩が発生して雪食地が形成されることが推定された。このような雪食地はその末端が傾斜変換線に沿ってよく揃うことが特徴で、全層雪崩の指標地形として有効であると思われる。雪食地においては積雪グライドによる表面侵食量は小さいが、積雪グライドは顕著な土壌クリープを引き起こすなど多雪山地の地形プロセスとして重要である。