抄録
本報告はネパールのカトマンズ盆地の山間地域における森林利用と住民厚生について研究調査した結果をまとめたものである。1990年以前における森林政策によって山地住民は森林材—マキ、飼料、木材—をうまく利用し自分たちの厚生を高めた。だが、社会的に低い地位のカミたちは他のカースト·民族の人々と同様に自分たちの厚生を高めることができなかった。1990年代後半になって森林政策の変化、とりわけグループ化された地域住民による制度的な森林利用によって全体的に地域住民の厚生が高まった。その際にも、カミは一歩遅れをとっている。その原因は、1990年以前の所有·利用権、カースト的な職業、集落の位地等があげられる。