抄録
近年大都市圏縁辺部では、市街化が急速に進行し、市街地の拡散化やスプロール現象等の問題が生じるケースも多い。このことは、従来から土地利用計画の問題として指摘されてきた市街地と農地や森林等のとの競合をより深刻化させる恐れもある。したがって大都市圏縁辺部では、市街化に伴い土地利用規制と土地利用実態との間の乖離が進むことで市街地と他の土地利用との間の土地利用調整の必要性が強くなっていることが課題の一つである。以上のことから地域の土地利用の実態を的確に把握し、適正な土地利用規制がこれまでに実施されてきたか評価することが不可欠となる。そこで本研究は、GISを利用して市街化に着目して地区レベルで土地利用規制と実態との間の乖離を解析し、土地利用調整の必要性な地域を把握することにより、市街化の抑制という視点に限定して大都市圏縁辺部における土地利用規制を評価することを目的とする。