日本地理学会発表要旨集
2007年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: S401
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公害/環境問題を題材とした実践的環境地理教育
朴 恵淑*小林 浩二小野寺 真一鹿嶋 洋西城 潔
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抄録

1.趣旨
 20世紀に、我々人類は経済偏重主義を貫き、地球に対して大きな負荷を与え続けてきた。これによって、多くの人々の生活や生命が脅かされるとともに、多くの生態系が破壊されてきた。これは、1970年代以前における各地での地域問題(公害)として、近年における地球環境問題として、表れてきた。しかし、今日においてもなお、急成長を遂げている途上国を中心に、かつての経済成長時における日本のように、深刻な環境問題が生じている地域が少なくない。
 このように絶えることのない環境問題を、これ以上拡大しないように押さえていくためには、これまでの問題を現実的に実感できる形で正面から受け止め、負の遺産として将来への教訓とすることが必要である。それには、研究とともに教育が果たす役割が大きいといえる。学校教育のみならず生涯教育における環境教育という枠組みの確立、さらに、その中核として、地理教育が位置づけられることが望まれる。この点は、昨年秋に本研究グループが主催した公開シンポジウム「地理教育と環境教育との接点を探る-教育現場からの提言」で、議論され強調された点である。そして、それに先立ち2005年秋季大会で主催したシンポジウム「実践的環境地理教育の素材発掘と将来展望」では、環境問題解決に対して、地域研究を得意分野とする地理学の果たす役割が大きいこととともに、研究者と教育者が議論することの重要性を確認した。
 すなわち、地域の問題の本質を見抜き将来のグランドデザインを提示する研究者と将来の人材養成をする教育者(学校だけでなく社会を含む)が、一堂に会し議論を行うことは極めて有意義である。本シンポジウムでは、熊本(水俣)という地域の問題を中心に掘り下げることによって、実践的な環境教育における地理教育のあり方について議論することを目的とする。それぞれ公開形式で広く紹介したい。

2.プログラム10月7日(日)9:10-12:00 
第1部「地域の公害/環境問題を捉える」
 座長;小野寺真一(広島大)
9:10 「趣旨説明」小林浩二(岐阜大)
9:20-10:00 基調講演「水俣学序説-水俣病の教訓をどう活かすか」原田正純(熊本学園大)
10:00-10:20 「四日市公害から学ぶ四日市学」 朴 恵淑(三重大)
第2部「実践的環境地理教育の展望-研究者・教育者の視点」
 座長;西城 潔(宮城教育大)
10:20-10:40 「四日市コンビナートと地域経済」 鹿嶋 洋(三重大)
10:40-11:00 「ESDと地理教育における環境問題」 梅村松秀(ERIC:国際理解教育センター)
11:00-11:20 「中学校での環境教育の実践例」小林信一(熊本県大津北中学校)
11:20-11:50 討論  座長;朴 恵淑(三重大)
11:50-12:00 「総括」 小野寺真一(広島大)
12:00 終了

3.背景
 本公開シンポジウムに先立ち、今年度まで研究グループ「環境地理教育」(2期目)において、議論を行ってきている。2005年、2006年の各秋季大会ではシンポジウム(前述)、各春季大会ではそれぞれビジネスミーティングを行い、話題提供とともに、今後の活動について議論し、シンポジウムの開催と教材の作成が提案された。詳細は、ホームページ公開中http://home.hiroshima-u.ac.jp/sonodera/pko/である。
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© 2007 公益社団法人 日本地理学会
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