抄録
南北に長い日本列島の気候の多様性を反映して、国土の半分以上を占める積雪地域の堆積環境は多様である。したがって、その影響を受ける積雪には、量はもちろんのこと質にも違いがあり、それに応じて冬の生活様式や災害の形態、そして防雪への取り組み方も違う。しかし、一般に積雪の気候図と言えば年最深積雪の分布図(気象庁, 日本気候図2000年版)という量に関するものであり質を表すものはない。そこで筆者は、1995年に積雪の質に着目した日本の積雪地域の気候区分を提案し、雪質気候図を作成した。ただ、その際に利用したのが旧メッシュ気候値であったために、日本の積雪地域のうち雪の少ない関東平野や紀伊半島、四国、九州などの積雪情報が入っていなかった。しかし、その後新たに整備された「メッシュ気候値2000」(気象庁, 2002)においては、南の島嶼を除きほぼ日本全土をカバーする積雪の情報が整備されたので、その情報を入れ、かつ一部気候区分の条件を再検討した新しい雪質の気候図を作成した。それに基づき日本の積雪地域の特徴について述べる。