日本地理学会発表要旨集
2007年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P608
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『気象要覧』の低気圧・台風経路図に基づく過去100年の台風の変化
*片岡 久美田宮 兵衞
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抄録


 近年,地球温暖化の影響によって台風の発生数や強さに変化が起こる可能性が指摘されている.しかしながら台風の長期変化を扱った研究結果に統一見解はなく,地球温暖化との関係は明らかになっていない.その理由のひとつに,分析に使用できるデータの統計期間の短さが挙げられよう.日本は古くから台風の影響を受けてきているものの,風速によって台風を定義し始めたのは比較的新しい.現在の定義(最大風速17.2m/s以上)に従って擾乱が同定できるのは1951年以降であり,気象庁によりデジタル化された台風の統計データが公開されているのもこの年からである.そこで本研究では,1900年の発刊時から台風と考えられる擾乱の経路図とその説明が掲載されている『気象要覧』を対象として,1950年までの期間について現在の台風と比較可能な情報を抽出し,過去100年余りの期間について,台風の長期変化を分析することを目的とする.

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© 2007 公益社団法人 日本地理学会
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