日本地理学会発表要旨集
2007年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P610
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平成18年7月豪雨による長野県諏訪地域で発生した土砂災害地に現れた埋没腐植層の年代
*岡本 透片倉 正行富樫 均清水 靖久北原 曜落合 博貴河崎 則秋久米 義輝
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抄録

 平成18年7月豪雨によって諏訪地方周辺では土砂災害が多発した。岡谷市南部に位置する湖南山地周辺の災害発生地では、埋没腐植層が地表に露出したため、その年代を測定した。試料を採取した5地点の埋没腐植層の14C年代は、小野では約1200年前、下町では約1300~1500年前、本沢では約4500~7700年前、ボーリング調査で複数の埋没腐植層が確認された志平沢では約800年前および約7600~10000年前、小田井沢では約8000年前であった。また、本沢川では埋没腐植層を覆う褐色土層中から得られた炭片の年代値は約150年前であった。今回得られた埋没腐植層の年代値は過去に生じた土石流の発生年代を示している。また、複数の埋没腐植層が確認されたことは、土石流が繰り返し生じていたことを示している。一方、湖南山地は第二次世界大戦以前には入会地や養蚕用の桑畑として利用され、森林の発達程度は非常に悪かった。さらに、尾根部には小規模な崩壊地や裸地が多数分布していたことが確認された。このため、本沢の褐色土中の炭片の存在とその年代は、江戸時代後半以降に小規模な土砂移動が生じていたことを示していると考えられる。
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© 2007 公益社団法人 日本地理学会
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