抄録
霞堤・水害防備林に関して,その地形的立地条件および水制の相互関係から類型化を行うと共に,福井豪雨災害時の足羽川の氾濫に際して水害防備林の機能の検証を行ったことを踏まえ,調査範囲を北陸地域の諸河川に展開し,伝統的治水工法の現況調査を行うと共に,維持管理に関わる流域住民との関連を調査した.本研究では,新河川法で伝統的治水工法を採用した治水計画が認められたことを踏まえ,同工法の水制効果を確認・検証することに加え,住民に対する聞き取り調査によって,同工法に対する評価を明らかにし,施設維持に対する住民の関与を検討することで,住民と同工法との関連性を明らかにすることを通じて,住民参加・住民協力型の治水対策に関して提言を行なうことを目的とした.