2019 年 75 巻 2 号 p. I_259-I_264
福岡県古賀海岸は両端と突堤で囲まれ沖に人工リーフが設置されたポケットビーチである.ここで平成29年8月に突然襲来した高波浪で流され4名が溺死する事故が発生した.この海岸は離岸流発生の海岸として知られるが,高波浪が突然襲来した目撃情報より離岸流の可能性は低いと考えられる.ここでは波浪の挙動について解析を行いどのような条件下で事故が発生したのかを把握した.まず現地調査を行い水深情報や調査時の現場海岸の海象を把握した.次に波浪推算モデルで卓越波向時等の周辺海域の波高分布や,波動解析モデルで古賀海岸への高波浪到達時の挙動を把握した.その結果,周辺海域の卓越波向時には古賀海岸は半島の陰影部に位置し波高は減衰する事を確認した.また事故時の海岸では突堤の影響で速い流速の沖向きの流れが発生したことを確認した.