抄録
日本全国のアメダス地点において、年平均気温、年平均日最高気温、年平均日最低気温の永年変化(1979~2007)の変化率(回帰直線の傾き)を求めた。使用した資料は、アメダス再統計値(1976~2004)とアメダス観測年報(2005,6,7)である。
全国各地点における回帰直線の傾きを平均すると、年平均気温が0.03979℃(n=401)、年平均日最高気温が0.05017℃(n=363)、年平均日最低気温が0.03719℃(n=362)で、年平均日最高気温の方が日最低気温よりも高い上昇率を示した。
また、平均気温、日最高気温、日最低気温共に、北海道から西日本に南下するにつれて(年平均気温が上昇するにつれて)、気温の上昇率が高くなった。しかし沖縄地方はこの一般化に従わず、低緯度で(高温で)あるにもかかわらず、気温の上昇率は高くなかった。
地方の中核都市に立地する地方気象台では、年平均日最高気温よりも日最低気温の上昇率が高く出る傾向があったが、欠測地点も多く都市規模による結果とは言い切れなかった。