バブル経済崩壊以降の長期にわたる不況と地価下落は,東京大都市圏の外延的な拡大を変化させた.とりわけ都心部では,地価下落にと土地供給によって住宅供給がみられ,人口の「都心回帰」として注目された.また,バブル経済崩壊後の東京大都市圏における職業構成の空間的パターンを分析した小泉(2010)では,従来はセクター状とされる分布が都区部と郊外で異なることと,ホワイトカラー人口が都心部での大幅な増加と,区部北西部における減少を指摘した. しかし,それらの要因は明らかにされておらず,職業構成の変化が人口動態からも示される必要がある.